今回私が倒れたのは
お母さんの持病の影響だったらしい。
また倒れるかもしれないけど
とりあえずこれから数年は大丈夫らしい。
あなた 『 ありがとうございました。』
入院の心配はないっていってくれたので
さっそうと部屋を出た。
私は病院の におい が苦手。
両親の"あの時"を思い出してしまうから。
あなた 『 ……。 』
はやく帰ろ。。
早足でロビーまで来た時,
廉『ちょ、まっとったんのに俺の事置いてくん?』
あなた 『 あ…。』
そだ。 お礼言わなきゃ。
あなた 『あのっ…ほんまにありがとうございました。』
ぺこりとお辞儀をして進行方向を変えた。
廉 『 ……それだけなん? 』
え?
あなた 『はい…??』
恐る恐る振り向くと
なんというか…
" 漆黒 " 色にそまっていた。
廉 『命の恩人に対してお礼が
それだけかって言ってんで。』
あなた 『 今…お礼しました…けど。』
さっきと態度がまるで違う。
二重人格ってやつ…?
廉 『あのなー。それだけで満足するとでも
思っとるん?』
なんなのこいつ。。。
そんな言い方しなくてもいいやんか。。。
あなた 『…分かりました。学校で何か渡すんで。。』
廉 『いやいやいらんわー。笑』
あなた 『……じゃあ何をすればええんですか。』
私の苛立ちが増していく。
廉 『 んー。そやなぁ。。』
永瀬くんはしばらく考えてから
片方の口角だけを上げ,見下すように言う。
廉 『 期間限定,俺の彼女のフリ。』
あなた 『は…何言って…』
廉 『わかったか?』
嫌… 嫌すぎるっっっ…
こんな男の彼女のフリなんて。
廉 『…気に食わねーカオ。笑』
あなた 『だってなんで私がそんなことっ…』
廉 『なんでやって?』
廉 『1つ。俺はお前の命の恩人。
そしてもう1つ ──.』
廉 『俺はお前に人口呼吸をしてやった。』
廉 『そしてそれは俺のファーストキスでもある。』
廉 『それだけや。』
人口呼吸てあの…!?
そんでそれがファーストキスって…。
は!?!?!?!?!?///
意味わからんて!!!!!!!!///
てか人工呼吸がファーストキスって少女漫画かよ!!!!!
あなた 『はっ!? ほんまなん!?!?//』
廉 『いい焦っぷりやな。笑
ま、せいぜい可愛がってやるよ彼女サン 。』
ぽんぽんと私の頭を撫でてそのまま永瀬くんは
病院を出ていった。
黒すぎる…
いや黒越して漆黒王子や…
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!