第15話

意識してしまう
312
2019/11/02 02:58
朝・・・目が覚めると、俺は
熱が少し、下がったようで、昨日よりは

体が、熱くなかった。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
くあっ〜、あれ?天馬てんま先輩
は?
俺は、少しダルイ体を、よいしょと
起こし、2段ベッドの、上を覗く・・・

が、天馬先輩は、いない・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
あれ?そういえば、今何時って・・・
10時!?ヤバイやばい
慌てて、体を動かしたため、
ズキっと頭に、痛みがはしる・・・

クソっ、地味に痛え
そして、ようやく、俺は、机の上に
天馬先輩が、書いたであろう、手書きの

手紙を、見つけた。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
ん?今日は、まだ体調が、回復して
ないと思うので、俺から先生に
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
そら君は、体調不良のため
お休みです。と、伝えておくね・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
天馬
ここまで、俺のためにしてくれるなんて
いつも、天馬先輩の行動に、ハラを

立てている俺の、なんとちっぽけな事だ。
その手紙を、握り締めながら、しぜんと

口が緩んで、変な笑顔になる。
嬉しいけど、照れくさい、そんな感じ。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
今日は、1日休みか・・・休み
階段を、登り、ベッドに転がる
俺・・・

昨日、ここで天馬先輩が、寝てたのか
変な、物置いてなかったよな?

俺は、ソワソワと、自分のベッドの上で
確認作業に入る・・・ん?
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
って!!何、意識してんだよ!!
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
別に、男同士だし、ちょっと推しの
ポスター貼ってたって、気にしねえだろ!
頭を、グイッと、布団の中に
うずめかせる俺・・・

ああ、なんなんだよもう!
意識しちゃダメだって、思うほど

変な気持ちになってしまう・・・
別に、アイドルのポスター見られたのが

恥ずいとか、そうじゃなくて・・・
いや、実際は、そうか・・・くう・・・

そして、知らないうちに、俺はまた
布団の中で、眠ってしまった。






パチッ
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
うわっ!
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
うおっ
ガタン!!
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
天馬先輩!!
目を、次に覚した瞬間・・・もう
夕方だったのか?

俺の事を、静かに覗いていた
天馬先輩と、目が合い、2人して驚き

そのまま、足を滑らせ、階段から落ち
天馬先輩は、ドスンとしりもちを
ついた。
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
イタタタ
ギシ、ギシ・・・

俺は、階段を、降りると、しりもちを
ついて、少し痛がっている天馬先輩を

見て、笑ってしまった。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
何を、してたんですか?
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
俺のこと、覗いてました?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
べつに、そんなつもりじゃないよ
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
熱、下がったみたいだなって、思ってた
見てただけだよ
やっぱり、見てたんじゃん。
俺は、また、クスッと笑い、天馬先輩に

お礼を伝える。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
昨日は、本当に助かりました。
今は、もう、ほら!元気ですよ
腕を、ぐるっと、ひと回りさせて
元気さを、アピールした。
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
なら、よかった。俺、誰かの
看病とか、初めてだったから
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
このまま、宙君が、熱出たまま
だったら、どうしようって思ったよ。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
大丈夫ですよ!俺は、そんなに
弱くありませんし、熱が出たのだって、
昨日の前の日に・・・
ドクン・・・また、思い出してしまった。

熱が出た、原因は、天馬先輩が
チョコ食べて、酔っ払って・・・服を

ダメだ、思い出すな!!
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
1つ、質問いいですか?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
何?
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
あの・・・天馬先輩って・・・・キ
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
キスとか、慣れてる方なのかなって?
あきらかに、目が泳いだ俺は
ダラダラと、謎の汗が出てきた。
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
キス!?
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
自分でしておいて、なんだよ
その反応・・・でも、天馬先輩が

誰にでも、その、キスしちゃう人だったら
あの行為は、納得がつく・・・

納得したくねえけど・・・
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
俺、そんな慣れてる風に見える?
天馬先輩も、動揺を隠せないらしく
みるみる声が、小さくなる
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
そっ、それを、聞いてるんですよ!
ここで、引き下がったら
俺は、ずっとモヤモヤしっぱなしな
気がする・・・
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
キスなんて、俺には無理だよ
恥ずかしいし、したことなんて
1度もない
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
・・・
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
・・・・?
沈黙する俺たち・・・・

でも、なぜかその言葉を聞いて
少し俺は、安心したような気がした。

天馬先輩、あれ?キスしたことないの?
じゃあ、あれが・・・ファースト
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
うわああああ
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
えっ!?何?さっきから、宙君
変だよ
確かに、俺は、変になってるかもしれない。
女の子じゃ、あるまいし、何

自分とのキスが、ファーストキスで
よかったなんて、思ってんの!?

俺自身が、気持ち悪い・・・
そもそも、俺とのキスなんて
天馬先輩酔ってたし、覚えてるわけ

ないよな・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
あああ!イライラする
なんで、俺だけいつもこうなんだよ?
最近、キスやら天馬先輩の事が
頭から離れず、ついに俺の頭には

容量がなくなって、パンク寸前だ・・・
いや、もう半分爆発してるかも
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
宙君、何か隠してるでしょ?
その事で、いつも俺から目をそらしてる
事あるよね?
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
ひ、あの?そんなことは、ないですよ?
声が、一瞬裏返った。
キスについては、天馬先輩に
バレたくないような、バレたいような
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
お願い、俺・・・何かしちゃって
たんなら、謝りたいんだ
謝る・・・俺にした事を?

謝れば、キスも何もかも

無かったことになるのか・・・?

本当に、最近の俺は気持ち悪い


でも、正直に言ったほうが、いいのかも
しれない・・・

もしかしたら、俺の考えてる事なんて
そんなに、重要な事じゃないのかも 
しれない・・・

自分の口から、言うのが怖い
「嘘だ」って、言われるかも・・・・

でも、言ったら何か、ふっきれる
気がする・・

俺は、スウッと、息をはき、天馬先輩を
見つめた。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
だったら、言いますね
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
俺は、あの日、酔った天馬先輩に
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
言え、言うんだ・・・ダメだ
クソっ・・・・言え・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
キッ・・・・・キ・・・・
「キスされた」・・・・たった5文字が
言えない・・・
そして、歯を食いしばり、
言葉がつまる俺を

静かに天馬先輩は、話を聞こうと
待っていてくれた。

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