第11話

チョコとアルコール
313
2019/10/22 10:23
部屋に戻った俺は、「フウ・・・」と少し
ため息をついて
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
一希かずき先輩、後は俺が
いるんで、部屋に戻って大丈夫です
と、言った。
藤田 一希
藤田 一希
そうか?悪いな、そら
じゃあ、あと天馬てんまを、よろしく
一希先輩は、スタスタと部屋から
出て行った。

さてと・・・
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
アハハ、あれ?一希は?
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
・・・
この酔っ払いを、どうするかな?

一応、そばにいた方がいいよな。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
天馬先輩、あの、大丈夫ですか?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
ん?君は・・・そら君では
ないか!?
この人天馬先輩、酔って変なテンション
に、なってるな・・・

普段は、もう少し、おとなしい
のに・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
先輩、俺、体育とかで
疲れてて、先、寝させてもらいます
ペコリと、一礼して、2段ベッドに
上がろうとした時・・・・

バン!!

天馬先輩が、俺を壁に追いつめ
両手を壁につき、通せんぼを

してきた・・・
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
宙君!!
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
はっ、はい?
俺を見つめる、天馬先輩の目が
少し怖い・・・俺、なにか

気に触る事しちゃったっけ?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
どうして、最近、この部屋に
いないんだい?
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
は?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
最近、宙君を、学校では、見かけるけど
放課後、いくら待っても、最近
あまりにも・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
あ、あまりにも・・・なんですか?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
おっ・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
天馬先輩は、何か言いたそうな
顔を、して、急に言葉が詰まりだした。

俺は、壁に追いつめられたまま
静かに、先輩が喋りだすのを
待つ。
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
遅いよ・・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
遅い?
小さな声で、天馬先輩は、そう呟くと
バッと、壁についていた、手を放し

後ろに一歩下がる・・・・

何が、したいんだよ?この人は・・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
もしかして、俺がこの部屋
戻ってくるの、いつも待ってて
くれたんですか?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
そっ・・・それは・・・
天馬先輩は、顔を真っ赤にさせ
少し涙目になっている・・・

桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
言っとけば、よかったですね
すみません
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
えっ?
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
俺、最近、テスト勉強に忙しくて
友達の部屋とか行って、勉強教えて
もらってたんですよ
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
だから、この部屋に、いたくない
わけじゃなくて・・それに、テストは、
昨日、終わりましたから!
俺のことを、待ってて、くれたなんて
知らなかった・・・

少し嬉しくなる。
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
そっか、俺の事、嫌ってたわけじゃ
ないのか・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
嫌う!?そんなわけ、ないでしょ
逆ですよ、逆・・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
俺の中では、先輩は、好きな方ですよ?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
好きな方・・・
ん?俺・・・変なこと
言ってないよな・・・
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
暑い・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
えっ
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
脱ぐ
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
先輩?
ジーーーと、ジャージのチャックを
開け、ポイッと、上のジャージを

脱ぎ捨てた、天馬先輩。

すると、今度は、着ていたTシャツまで
脱ぎだした。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
ちょっ、天馬先輩!確かに、まだ
暑い日もありますけど、夜は、まだ
冷えますって!
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
服は、着ていた方が、いいですよ!
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
・・・ヤダ
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
・・・
アルコールで、酔っているからって
先輩の、わがままきいてたら、

次の日、絶対風邪引くぞ、この人。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
だったら、俺が、服を着せて
あげますから、こっちに、来てください
俺は、天馬先輩の前に、手を
差し出す・・・が、しかし
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
ほっといてよ、俺が、何しようが
俺のかってでしょ?
ぷいっと、横を向き、俺の方を
見向きもしない・・・ブチっ

いくら、心の広い俺でも、さすがに
キレる。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
俺の、いうこと、きいてください!
ガルルルルと、吠えるも、まったく
どうじない天馬先輩・・・

こうなったら・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
俺から、着させに行きますから!
ダダダ、と、狭い部屋を走って、Tシャツ
片手に、天馬先輩に被せようと
した時
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
それっ!
グイッと、俺の着ていたTシャツを
引っ張られ、俺も上半身裸になる・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
ハハハハ
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
よくも、俺の好意を、あだで、返して
くれたな・・・

普段の天馬先輩なら、絶対こんな事
しないと、分かっていても

ふざけすぎなんだよ!!っと、キレて
しまう俺は、気持ちが、小さいんだろうか。

ああ、眠い・・・早く寝たい・・・
なんで、俺まで服取られてるんだか・・

もう、寝ようかな・・・このまま。
でも、風邪ひきたくないな・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
がんばれ、俺・・・
再び、俺は、天馬先輩の服を
着せることに、挑もうと思った。

うう・・・寒い・・・・はやく、

服着せないと・・・

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