部屋に戻った俺は、「フウ・・・」と少し
ため息をついて
と、言った。
一希先輩は、スタスタと部屋から
出て行った。
さてと・・・
この酔っ払いを、どうするかな?
一応、そばにいた方がいいよな。
この人、酔って変なテンション
に、なってるな・・・
普段は、もう少し、おとなしい
のに・・・
ペコリと、一礼して、2段ベッドに
上がろうとした時・・・・
バン!!
天馬先輩が、俺を壁に追いつめ
両手を壁につき、通せんぼを
してきた・・・
俺を見つめる、天馬先輩の目が
少し怖い・・・俺、なにか
気に触る事しちゃったっけ?
天馬先輩は、何か言いたそうな
顔を、して、急に言葉が詰まりだした。
俺は、壁に追いつめられたまま
静かに、先輩が喋りだすのを
待つ。
小さな声で、天馬先輩は、そう呟くと
バッと、壁についていた、手を放し
後ろに一歩下がる・・・・
何が、したいんだよ?この人は・・・・
天馬先輩は、顔を真っ赤にさせ
少し涙目になっている・・・
俺のことを、待ってて、くれたなんて
知らなかった・・・
少し嬉しくなる。
ん?俺・・・変なこと
言ってないよな・・・
ジーーーと、ジャージのチャックを
開け、ポイッと、上のジャージを
脱ぎ捨てた、天馬先輩。
すると、今度は、着ていたTシャツまで
脱ぎだした。
アルコールで、酔っているからって
先輩の、わがままきいてたら、
次の日、絶対風邪引くぞ、この人。
俺は、天馬先輩の前に、手を
差し出す・・・が、しかし
ぷいっと、横を向き、俺の方を
見向きもしない・・・ブチっ
いくら、心の広い俺でも、さすがに
キレる。
ガルルルルと、吠えるも、まったく
どうじない天馬先輩・・・
こうなったら・・・
ダダダ、と、狭い部屋を走って、Tシャツ
片手に、天馬先輩に被せようと
した時
グイッと、俺の着ていたTシャツを
引っ張られ、俺も上半身裸になる・・・
よくも、俺の好意を、あだで、返して
くれたな・・・
普段の天馬先輩なら、絶対こんな事
しないと、分かっていても
ふざけすぎなんだよ!!っと、キレて
しまう俺は、気持ちが、小さいんだろうか。
ああ、眠い・・・早く寝たい・・・
なんで、俺まで服取られてるんだか・・
もう、寝ようかな・・・このまま。
でも、風邪ひきたくないな・・・
再び、俺は、天馬先輩の服を
着せることに、挑もうと思った。
うう・・・寒い・・・・はやく、
服着せないと・・・
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。