第6話

名前を呼んで
395
2019/10/13 13:42
とある荷物を、しんと、俺で美術室まで運んでいた
時だった・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
あれ?ジャージ・・・いや、天馬てんま先輩?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
あれ・・・君は
山寺 進
山寺 進
あっ、ジャージ先輩!こんにちは
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
こら、急に大声出すなよ
山寺 進
山寺 進
わっ、悪い
廊下で、天馬先輩にばったり会った。
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
大丈夫、えっと、その荷物
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
ああ、これ、美術室に置きに行くん
ですよ
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
そうなんだ、たくさん持ってて
重そうだね
山寺 進
山寺 進
ジャージ先輩、そらのこと、君って
呼んでるんですか?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
えっ
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
コラッ!!しん、余計な事言うなよ!
天馬先輩に、初めて会った時
人の名前を、覚えるのが苦手だと

知ってた俺は、しんを、キッとにらむ。
山寺 進
山寺 進
だってさぁ
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
ごめん、えっと、そら君だね?
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
先輩・・・俺、気にしてませんから
俺が、クシャッとはにかむ。
その時、聞いたことのある声が聞こえた。
藤田 一希
藤田 一希
アハハ、後輩困らせてやんの
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
一希かずき先輩こんにちは!
山寺 進
山寺 進
ちはっ!!
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
一希・・・
藤田 一希
藤田 一希
だいぶ、お困りのようだね?
眠り姫・・・
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
やめろよ、そのあだ名
2人のやりとりを見て、俺はおもわず
笑ってしまう。

一希さんが、来てくれて、天馬先輩も
ホッとしているようだ。
藤田 一希
藤田 一希
お前ら、その荷物運ばなくていいのか?
山寺 進
山寺 進
あっ!いけねえ
山寺 進
山寺 進
行くぞ、そら
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
ああ、わかった
俺と、進は、慌てて美術室に向かう。
次の、授業が、もうすぐ始まりそう

だったからだ。
藤田 一希
藤田 一希
なあ、天馬
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
ん?
藤田 一希
藤田 一希
宙くん、お前とルームメイトなんだから
そろそろ名前ぐらい、覚えてやれよ?
藤田 一希
藤田 一希
いくら、宙くんが優しくても、
それに甘えてちゃ、ダメだぞ?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
わかってるよ
藤田 一希
藤田 一希
本当は、お前のこと、はやく
助けられたんだけど・・・見えてたから
藤田 一希
藤田 一希
お前の反応が面白くて、助けるの
遅くなった・・・スマン
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
本当に・・・一希は、意地悪だよね
藤田 一希
藤田 一希
宙くんに、甘えたくなったか?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
はあ?別に・・・・
藤田 一希
藤田 一希
なんだかんだで、お前には、いい勉強に
なると思うよ
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
わかったよ、名前でしょ?
そして、1日の授業が終わり・・・

俺は、自分の部屋へ戻った。

ガチャ
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
ふーー
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
あっ、そっ・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
そっ?
俺は、キョトンと首をかしげる。

天馬先輩、どうしたんだ?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
宙くん・・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
あっ、はい
初めて、自分の名前を、天馬先輩が
覚えてくれた気がして、嬉しくなる俺。
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
特に・・・用事はないけど
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
呼んでみただけ・・・
ふいっと、顔をそむける天馬先輩。

ん?ん?何がおきてるんだ?

ふと、床をみると、ノートが1冊置いてある。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
なんだこれ?
そっと、ノートを拾い、広げてみる
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
なっ!!
そこには、何ページにもおよび、
天馬先輩の字で、俺の名前が、書かれて
いた・・・・
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
あっ・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
あの、えっと
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
見たの?それ
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
えっ・・・あっ、はい
すると、天馬先輩は、顔を赤面しながら
固まって動かなくなる・・・
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
うわあああ!!見られたあああ
先輩が、書いたノート置きっぱなしに
したせいでしょう・・・と、心の中で

つぶやきながらも
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
気にしないでください、俺・・・
一生懸命、天馬先輩が、名前を
覚えとうと
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
してくれたんだなって、すっごく
今、嬉しいですから!
ニコッと、微笑む。
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
そっか、なら良かった
えへへと、笑うその顔を見て、少し
かわいいと思ってしまう・・・

はっ!?なに思っちゃってるの俺・・・
天馬先輩は、男で・・・・でも

なんだこの気持ちは?
その晩、俺はベットで横になりながら、
いろいろ考えていたが、しらないうちに

眠ってしまっていた。

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