とある荷物を、進と、俺で美術室まで運んでいた
時だった・・・
廊下で、天馬先輩にばったり会った。
天馬先輩に、初めて会った時
人の名前を、覚えるのが苦手だと
知ってた俺は、進を、キッとにらむ。
俺が、クシャッとはにかむ。
その時、聞いたことのある声が聞こえた。
2人のやりとりを見て、俺はおもわず
笑ってしまう。
一希さんが、来てくれて、天馬先輩も
ホッとしているようだ。
俺と、進は、慌てて美術室に向かう。
次の、授業が、もうすぐ始まりそう
だったからだ。
そして、1日の授業が終わり・・・
俺は、自分の部屋へ戻った。
ガチャ
俺は、キョトンと首をかしげる。
天馬先輩、どうしたんだ?
初めて、自分の名前を、天馬先輩が
覚えてくれた気がして、嬉しくなる俺。
ふいっと、顔をそむける天馬先輩。
ん?ん?何がおきてるんだ?
ふと、床をみると、ノートが1冊置いてある。
そっと、ノートを拾い、広げてみる
そこには、何ページにもおよび、
天馬先輩の字で、俺の名前が、書かれて
いた・・・・
すると、天馬先輩は、顔を赤面しながら
固まって動かなくなる・・・
先輩が、書いたノート置きっぱなしに
したせいでしょう・・・と、心の中で
つぶやきながらも
ニコッと、微笑む。
えへへと、笑うその顔を見て、少し
かわいいと思ってしまう・・・
はっ!?なに思っちゃってるの俺・・・
天馬先輩は、男で・・・・でも
なんだこの気持ちは?
その晩、俺はベットで横になりながら、
いろいろ考えていたが、しらないうちに
眠ってしまっていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!