部屋の掃除も一段落して、俺は、
学校の売店でカップラーメンを
買うと、自分の部屋に戻った。
ちょうど、天馬先輩が
新しいジャージに着替えてる最中だった。
俺は、普段見かけない柄のジャージを
天馬先輩が、着ようとしていたので、質問した。
自分の着ているジャージを、指さす
天馬先輩。
黒色にドクロのシルエットのジャージ。
普段の、天馬先輩は、もう少し
明るめの色のを、着てるため、少し
違和感があった。
天馬先輩は、きょとんとした
顔で、こちらを見ている。
シュンと、落ち込む天馬先輩を
見て、慌てる俺
ダメだ・・・俺の言葉じゃ
全然フォローに、なってない・・・
天馬先輩は、ニコッと笑うと、
俺に緑色の無地のジャージを貸してくれた。
それを、「えいっ」と、羽織って
着てみる。
たしかに、俺の体は、ちょっと
小さいけど・・・
そう言って、天馬先輩の前に
手をひろげてみた。
パサッ・・・・
手の長さが、たりなくて、萌え袖
みたいになってしまう・・・
天馬先輩に、笑われ、悔しくなる
俺・・・
クソっ・・・カッコ悪いなぁ
急に、俺の脇腹をさすってきた
天馬先輩・・・
本気で落ち込む俺・・・
なんだかんだで、天馬先輩は
マイペースで、天然で・・・
あなたに俺は、振り回されてるんですよ
反撃できない・・・
ちっぽけな俺の体が、嫌いだ
俺は・・・俺は・・・
たくましい男になってやる!!!
その日、寝る前に、牛乳をがぶ飲みして
布団に入った。明日には・・・・
身長1cmは・・・伸びてるといいな
そんなことを、思って眠った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!