第4話

ジャージを着てみて
412
2019/10/09 13:33
部屋の掃除も一段落して、俺は、
学校の売店でカップラーメンを

買うと、自分の部屋に戻った。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
戻りました〜
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
あっ、お帰り
ちょうど、天馬てんま先輩が
新しいジャージに着替えてる最中だった。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
あれ?そんなジャージ持ってましたっけ?
俺は、普段見かけない柄のジャージを
天馬先輩が、着ようとしていたので、質問した。
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
ああ、これ?
自分の着ているジャージを、指さす
天馬先輩。

黒色にドクロのシルエットのジャージ。
普段の、天馬先輩は、もう少し

明るめの色のを、着てるため、少し
違和感があった。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
カッコいいですね
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
どこかで、買ったんですか?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
ううん、違うよ
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
これ、一希かずきの、お古
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
もう、着ないって言うから、
もらったんだよね
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
そうですよね・・・一希かずき先輩の
おさがりなら、納得です。
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
えっ、それどういうこと?
天馬先輩は、きょとんとした
顔で、こちらを見ている。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
だって、天馬先輩が、あまり
選ばなそうな色でしたし・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
先輩が、いつも着てるのは、
カッコいい系じゃなくて
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
ナチュラル系ですものね・・・
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
えっ・・・ナチュラル系?
俺・・・地味なのかな
シュンと、落ち込む天馬先輩を
見て、慌てる俺
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
べつに、それが悪いって言ってる
わけじゃないですよ
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
ただ・・・一希さんは、私服も
カッコイイし・・・大人っぽいし
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
・・・大人
ダメだ・・・俺の言葉じゃ
全然フォローに、なってない・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
あっ、えっと・・・俺も、先輩の
ジャージ少し、着てみたいな〜
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
えっ?ジャージ着たいの?
めずらしいね
天馬先輩は、ニコッと笑うと、
俺に緑色の無地のジャージを貸してくれた。

それを、「えいっ」と、羽織って
着てみる。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
どっ、どうですか?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
うーーん、なんというか・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
そら君には、俺のジャージ・・・
少し大きいかな?
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
えっ?
たしかに、俺の体は、ちょっと
小さいけど・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
だっ、大丈夫ですよ!ほらっ
ぴったし・・・
そう言って、天馬先輩の前に
手をひろげてみた。

パサッ・・・・

手の長さが、たりなくて、萌え袖
みたいになってしまう・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
ちっ、ちが・・・これは
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
アハハ、やっぱりブカブカだね
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
大丈夫、そら君もまだまだ
身長伸びるよ、成長期だし
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
くっ・・・
天馬先輩に、笑われ、悔しくなる
俺・・・

クソっ・・・カッコ悪いなぁ
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
うーーん
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
わっ
急に、俺の脇腹をさすってきた
天馬先輩・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
ど、どうしました?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
なんか・・・そら君って、腰回りも
細いんだね?
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
はあっ?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
女の子みたい・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
そんなこと・・・言わないでくださいよ
本気で落ち込む俺・・・

なんだかんだで、天馬先輩は
マイペースで、天然で・・・

あなたに俺は、振り回されてるんですよ
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
先輩だって・・・
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
何?
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
えっと
反撃できない・・・

ちっぽけな俺の体が、嫌いだ
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
ジャージ、返しますね
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
また、着たくなったら、いつでも
言ってね
俺は・・・俺は・・・

たくましい男になってやる!!!

その日、寝る前に、牛乳をがぶ飲みして

布団に入った。明日には・・・・

身長1cmは・・・伸びてるといいな

そんなことを、思って眠った。

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