第3話

大掃除
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2019/11/06 12:47
学校が始まるまで・・・残り2日

今日は、土曜日。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
これと、これは、捨てる・・・
俺は、自分の使う寮の部屋で
大掃除をしていた。

その横で、ジャージ先輩こと天馬てんま 蓮斗れんと先輩が

心配そうにこちらを見ている。
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
あの・・・それも捨てちゃうの?
読み終えた週間漫画雑誌を持ちながら
俺は、答える
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
これ、読んだらどんどん捨てないと、
溜まっていく一方ですよ?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
でも・・・
もったいないとか、思うから
捨てられないんだよ・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
じゃあ、また読み返すんですか?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
う〜ん
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
すぐ、答えられないってことは、
先輩は、この漫画は、必要ないって
ことですよ?
ギュッと、紐でしばり、漫画や雑誌の
束を、廊下に出す。
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
君が、来てから・・・俺の安らぎは
消えつつあるよ
天馬てんま先輩が、キャラ物(アニメキャラ?)の
クッションを抱きしめながら、ガクッと

落ち込んでいる。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
だって・・・このままじゃ
ダメだって思うから、俺は・・・
なんか、先輩をいじめてるみたいで
少し嫌だな・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
やっぱ・・・掃除しないほうが
少し弱気になる俺・・・

その時・・・
藤田 一希
藤田 一希
おーーい?天馬てんま、入るぞ
俺たちの部屋に、誰か入ってきた
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
ああ!一希かずき
ガバッと、一希かずきさんに、
抱きつく天馬先輩。
藤田 一希
藤田 一希
おい、離れろよ、みっともない
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
あの・・・
藤田 一希
藤田 一希
ああ、お前か・・・天馬のとこに来た
2年って
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
俺、今、いろいろ物とか捨てられてて
すごく・・・悲しい
藤田 一希
藤田 一希
なあ、お前、名前は?
一希さんが、俺に質問する
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
えっと・・・2年の桐ヶ谷きりがや そらって
いいます
藤田 一希
藤田 一希
そっか・・・桐ヶ谷きりがやね・・・
呼びにくいから、そらって呼ぶな
ベシッと、天馬先輩を蹴り飛ばした
一希さんは、俺を見ると
藤田 一希
藤田 一希
俺、3年の藤田ふじた 一希かずき
まあ、同じ階のフロアに住んでる
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
うう・・・
藤田 一希
藤田 一希
天馬は、だらしないし、根性なし
だけど、まあ、仲良くしてあげて
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
・・・はい!もちろんです
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
でも、俺、なかなか天馬先輩と
うまく生活できなくて・・・
藤田 一希
藤田 一希
ああ、すぐコイツ、弱音吐くし、
ちょっとめんどくせえよな
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
なっ!一希まで・・・ヒドイ
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
べつに、めんどくさくは、ないんです
けど、傷つけてないか・・・心配で
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
・・・そら君
藤田 一希
藤田 一希
まあ、そんなに深く考えなくて、
いいんじゃねえの?
藤田 一希
藤田 一希
なんだかんだで、天馬も後輩の
そらに、甘えてるんだよな?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
ギクッ・・・・
藤田 一希
藤田 一希
部屋の掃除まで、してもらって
ちょっと、甘えすぎじゃね?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
グッ・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
なんだか、わからないけど、一希先輩って
ちょっと、怖いかも・・・

少し、悪魔的というか・・・
天馬先輩、思いっきり遊ばれてるし
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
今日は、2人からのダブルパンチ
だよ〜
藤田 一希
藤田 一希
もうすぐ、学校始まるんだから
天馬も宙に、頼ってないで
藤田 一希
藤田 一希
自分で、なんでもしような?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
・・・
藤田 一希
藤田 一希
返事は?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
はいっ
藤田 一希
藤田 一希
クスッ・・・よろしい
藤田 一希
藤田 一希
じゃあね、宙
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
あっ、はい!一希先輩
一希先輩に、とどめの一撃を言われて
死んだ目になってる天馬先輩・・・

一希先輩、絶対天馬先輩からかいに
来ただけでしょ
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
先輩・・・俺が来て、迷惑じゃ
ないですか?
天馬先輩は、俺を一瞬チラッと
見ると
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
迷惑では・・・ない・・・かも
と、静かに呟いた。

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