ゆあん𝒮𝒾𝒹ℯ𓂃◌𓈒𓐍◌𓈒
今にも動き出しそうなくらいに
静かに眠る姉。
姉ちゃんが疲れてるのも、
姉ちゃんが泣いてたのも。
気づかなかった。
姉ちゃんが大好きな“はず”なのに。
姉ちゃんのこと何も知らない。
姉ちゃんが入院してたのだって、
叶音から聞いて初めて知ったこと。
本当に、何も知らない。
姉ちゃんのこと、好きでいる自信がなくなった。
姉ちゃん、本当に俺らのこと好きなの?
好きなのは、本当の家族だけじゃないの?
姉ちゃんは、
…姉ちゃんはッ……
大好きなのに。
今は疑うことしか出来なくて。
姉ちゃんを問うことしか出来なくて。
________こんなの、弟とは言えないな。
不意に涙がこぼれてきたのは、
無視しようと思った。
あなた𝒮𝒾𝒹ℯ𓂃◌𓈒𓐍◌𓈒
「お姉ちゃん!」
「大好きだよ〜!!」
「俺の方が好きだから!」
「いや絶対俺の方が姉ちゃん大好きだし」
「おれだし!」
「姉ちゃんは誰が一番好きなの?!」
「究極の選択すぎて私辛いよ?!?!」
「んー…皆大好きだよ、」
何この、…夢、?
誰、かな。
ゆあんくん?
Coe.くんかな、?
なーくん?
Reluくん、?
莉犬くんかな。
久しぶりだな。
こんなに、泣きそうなの。
みんな大好き、
________だと思うよ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!