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第1話

『 彼のコトバは___ユウキをくれた 』
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2019/05/13 04:10

☆0☆




「好き」って言えない。
たった一言なのに…



だって…



私みたいな雑草から「好き」なんて言われたら…






絶対…
迷惑でしょ?







☆1☆


階段を登る足が 重い。

昨日、見てしまったから。
彼が、告白している姿を。




「付き合うて欲しい…」

「うん、いいよ!付き合ってあげる!」




その瞬間、頭が真っ白になり、家までどうやって帰ったのかさえも、覚えていない。



私は目立たない。
存在さえも消えそうだから、
誰からも「好き」だなんて 言われない。


イイなぁ〜
羨ましいなぁ〜
あの人とお付き合いできる女の子がいるんだな…

ふたりが手を繋いでいる姿を想像して、
涙が出そうになった。


教室へ行く気になんてなれない。

そのまま、誰もいない屋上まで登って、ベンチに寝っ転がった。



〇「空…青いなぁ〜」



誰もいない場所で、ひとり呟く。
陽の光が眩しくて 腕を乗せて隠した。



?「そこ、俺の場所。」



えっ!!!
誰もいないかと思ってたのに!


〇「あっ!ごめんなさい!」


私は慌てて立ち上がり、その人の顔を見上げた。






☆2☆


〇「えっ!流星くんッ!!!」

流「ふふっw」



あっ…笑われた…



笑顔の流星くんは、ベンチに座り、

流「ここ、座り。」

と、隣をポンポンした。



〇「え、でも、流星くんの場所…」

流「ええよ。〇〇は特別や。」



えっ?今、〇〇って言った?

名前 知っててくれた…
てか、呼び捨てとか あり得ない!!!
てか、隣になんて 座れない!!!


〇「わ、私………失礼します!!!」ペコッ


頭を下げて、屋上から出て行こうとした。


流「ちょ、待ってや。」


流星くんの長い腕が私を掴んだ。


〇「えっ!チョット!何してるの!」

流「俺 今日、告るって決めてるんや。」



パニック!!!



私は腕を引っぱられ、ビックリした顔のままベンチに座った。



流「俺と付き合ってくれへん?」



えっ?!!!
パニックの雪だるま大作戦?!!!







☆3☆



でも…



待て待て、からかわれてるんだな。
いくらパニックしてる私でも、そんくらい分かる。


〇「イヤイヤイヤイヤ!あり得ないでしょぉ〜!
昨日、教室で告ってるの、私見てたから!
オーケーされてたじゃん!」

流「ふふっw」



あっ…また笑われた…



私、面白いこと言ってない!


流「あり得るんよ!それが。」

〇「またまた〜冗談!てか、その冗談…シャレになんないから…」



失恋して落ち込んでたのに、次の日は おちょくられ…
ホント、私の人生…カスだな。




流「〇〇〜信じてや〜」

〇「もう、やめて!」



立ち上がった瞬間、二の腕を引っ張られ、
私は抱きしめられた。




人生初だった。




ドキドキが、増していく…










嘘でも…騙されてても…イイよ。
だって、私…好きなんだもん。
流星くんの事が。
























流「お願いやから聞いて…」








☆4☆


私を抱きしめたまま言う…



流「たまにコンタクトしてくるの、むっちゃキュンキュンすんねん。
髪型 よく変えるのも。
俺的には、一度だけしてた ポニーテールがええかな。
メッチャ 似合っとった。
スマホ見ながら、ニヤッてするのも、ツボやねん。
その後、誰かに見られてないか、キョロキョロしたりして。
左利きやけど、鉛筆は右手 使ってるよな。
花、好きやろ?
それに、ちっちゃい子も、シャボン玉も、 ブランコも。
色は青。
数学と美術が得意。
2月23日生まれ。魚座のO型。」





どうして?
そんな、知ってるの?


泣きそうだよ…






流「それに…












__________自分を雑草だと 思ってる。」








もう、無理だ…







流「なぁ、〇〇?」





泣いている私に、流星くんが言った。





流「雑草を好きになっても………ええやろ?」






抱きしめられた その胸で答えた。













「…………ぅん。」








☆5☆


流「ホンマ?」

〇「うん// ホンマ」

流「やった!俺、メッチャ大切にするから!」

〇「うん。」

流「俺が〇〇の事、守るから!」

〇「うん。」

流「雑草でも 毎日お水やるからな!」

〇「うん。」

流「〇〇が俺の事、メッチャ好きになる様に頑張るから!」







〇「……えっ?」







そんなに私の事、知ってるくせに、
私が流星くんの事、好きって知らないの?





今なら…大丈夫。


言える…






〇「流星くん?あのね?」

流「ん?」






















〇「私………ずっと前から、
                          _____流星くんの事…





















                                    _____  好きでした。」










やったぁ!!!
言えた!!!









彼が告ってくれた、その言葉で…



雑草は勇気をもらいました。



                                  ☆ fin. ☆

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