第2話

2 初めまして好きです
1,001
2019/03/12 13:04
You side.



今日は人生最高についている日だ。
なぜなら、あのレトさんと話しているから…!


まぁ曲がり角でぶつかっただけなんだけど…


レトルト「大丈夫?またぽかーんとしてるけど…笑」


いけない。またフリーズしてしまった。
とにかく、なにか喋らないと…なにか、なにか…


あなた「す、好きです」


レトルト「…え」


………


ふぁあああああぁあぁぁぁあああああああああ!?

何言ってんの私!?なんか喋らないととは思ったけどこれはないって!!ててて訂正しないと…


あなた「あ、ち、ちがっその、ぇえっと…あの…そ、その…」


訂正の訂正。やっぱり今日はついてない。

コミュ症な自分を恨む。こんなんになるんだったらもっと色んな人とおしゃべりしとけば良かった…


レトルト「っふ…はははははははは!笑」


これはドン引きされた…終わった…私の人生…

…え?笑っ…てる?


レトルト「ごめんごめん笑
あんまりに急だし必死だったから…笑」


今も尚ちょっと笑ってるレトさん。
まぁ…大事にはなってないみたいでよかったかな(私の心を除く)


あなた「す、すみません…」


レトルト「いいのいいの!謝らんといて!
面白かったし、それに…」


あなた「そ、それに…?」


レトルト「好きって言われて嬉しくないやつなんておらん、から…」


ちょ、最後の方小さくて聞こえなかった…
でも聞き返すのはあれだしいいかな

顔が赤いのはきっと笑いすぎかな…ってまだ笑ってるし…恥ずいよ…もう…


レトルト「そういえばさ、急いでたみたいだったけど…そっちは大丈夫なん?」


あなた「え…?」


レトさんに会うという奇跡を目の当たりにした今の私に予定なんて…


あなた「あ」


レトルト「あってなにk」
あなた「大学忘れてたあああああぁぁあぁああぁ!?」


しまった。これはまずいどうしよう。大学に遅れるならまだしも今日は初日ですよ大切ですよあああぁ…!死んだ…


レトルト「だ、大学!?キミ、大学生だったんか…もう8:05やけど大丈夫そう?」


あ、その時間はアウトですよレトルトさん。


あなた「あっ…遅刻、ですね…」


レトルト「え、それはヤバない?」


あなた「まぁ、はい…」


レトルト「なんでそんなに冷静なん?」


あなた「なんででしょう…」


多分大学より貴方に会えたことが大きいからですね。

…なんて、言えるわけないけど


レトルト「大学、行かないの?」


まぁ遅れても流石に行かなきゃな…って思ってた頭とは裏腹に言葉はでてきてしまうもので


あなた「いや、もう今日は休みます」


すごいさらっと言ってしまった…でもそれは、きっと…今を後悔したくなかったからだと、思いたい…な


レトルト「そ、そうなん…?でもまぁ1日くらいいいのかもね」


でも後悔したくない、なんて格好つけても所詮曲がり角でぶつかっただけの相手。こんな長話に付き合ってくれただけで神様に土下座レベルですよ。


あなた「それじゃ…さっきはほんとにすみませんでしたっ…動画投稿頑張ってくださいね!」


精一杯笑って、踵を返した。ちょっと寂しいって一瞬思ったけど、振り向いたら戻れなくなりそうで。


あなた「手が届かないことが当たり前だから…」


小声でそう言い聞かせた。

























はずだった。





















レトルト「ねぇ、待って」


振り向かないって決めたのに。

私の体はいとも簡単に振り返ってしまった。

私の馬鹿っ…


レトルト「あ、のさ…」


レトルト「また、会えるかな」


そんな言葉、予想もしてなかったから凄いびっくりしたけど、


あなた「会えますよ、きっと。
もしかしたら、明日かもしれませんね」


私がしっかり相手の目を見て話せていることに1番びっくりした。


レトルト「なんやそれ笑
…ありがとう」


そういってマスク越しの眼鏡越しでもわかるくらいくしゃっと笑った彼。

…可愛い、な…


レトルト「あ、じゃああと少しだけ」


あなた「なんですか?」


レトルト「名前、教えてや」


あ、言ってなかったか…なんか私的にかっこいい事言ったとか思ってたからなんかショック…


あなた「桜空あなたっていいます
…じゃあ、また明日。」


レトルト「あなた…いい名前やね!
…うん、また、明日。」


お互い背を向けて歩き出した。


いつか が 明日 になる喜びを抱いているのは私だけ、なんだろうな…










Rt side.



ああは言ったがその後どうしようかなんて考えてなかった。


曲がり角でぶつかっただけ、ではあるけれど…とりあえず何故かまたぽかーんとしているから聞いてみるか。


レトルト「大丈夫?またぽかーんとしてるけど…笑」


考え事かな?


あなた「す、好きです」


な、なんて…?


レトルト「…え」


………


え?ん、んんん?

今、す、すすす好きっ…好きって言うたあ!?


いや、落ち着け…俺…聞き間違えかもしれん…とりあえず確認を…


あなた「あ、ち、ちがっその、ぇえっと…あの…そ、その…」


俺の必死の落ち着きも虚しく、彼女は自分の言ったことに見事に同様している様だった。

…なんだろう、可愛ええなぁ…


そんなこと考えたら何故か笑いが込み上げてきた。

きっと顔が紅いのを隠すためだったんだろうけど。


レトルト「っふ…はははははははは!笑」


彼女も驚いたみたいでこっちを見ている。


何がしたいんやろ…俺は…


とりあえず会話しとかんと…


レトルト「ごめんごめん笑
あんまりに急だし必死だったから…笑」


ごまかせた、かな?


あなた「す、すみません…」


レトルト「いいのいいの!謝らんといて!
面白かったし、それに…」


言って…いいんか…?


言ったら後悔しそうだったけど、俺は言ってしまった。


あなた「そ、それに…?」


レトルト「好きって言われて嬉しくないやつなんておらん、から…」


言っちゃった…こんなこと言ったらますます困らせちゃうよな…ほんまにごめん…


きっと今、顔…紅いんやろな…ほんまになにしとるんや俺…



……




…話題、変えなあかんな


レトルト「そういえばさ、急いでたみたいだったけど…そっちは大丈夫なん?」


あなた「え…?」


急いでたわけじゃなかったんかな?


あなた「あ」


用事あったのか…!?
だとしたらけっこう話しちゃってるけど…


レトルト「あってなにk」
あなた「大学忘れてたあああああぁぁあぁああぁ!?」


大学…!?大学生なん!?いやそんなことより時間大丈夫なんか!?


…俺が取り乱してどうする…落ち着け…


レトルト「だ、大学!?キミ、大学生だったんか…もう8:05やけど大丈夫そう?」


あ、その顔はアウトなんやね…


あなた「あっ…遅刻、ですね…」


割とさらっと言ったな…


レトルト「え、それはヤバない?」


あなた「まぁ、はい…」


レトルト「なんでそんなに冷静なん?」


あなた「なんででしょう…」



意外と冷静なんだなぁ、なんて…どうでもいいことを考えてたりしてる。
なんでこの子のこと…こんなに知りたいんやろ…


レトルト「大学、行かないの?」


流石に行く、よね…


あなた「いや、もう今日は休みます」


そうかそうか頑張っt…休むん!?

いや、いいんやけど……いいんやけど…

なんか、この子といると不思議な気持ちになるなあ…


レトルト「そ、そうなん…?でもまぁ1日くらいいいのかもね」


軽く言ってみる。もうちょっと長くさせたかったけど、それは…できないことだから。


あなた「それじゃ…さっきはほんとにすみませんでしたっ…動画投稿頑張ってくださいね!」


あっという間に時間は過ぎ去ってしまって。
彼女は笑顔で俺を応援してくれて、後ろを向き歩く。


思ってはいけない。戻れなくなってしまう。口に出したらあかんって、分かってた、けど


レトルト「いやや」


この声は届かない。
それに、きっと彼女はこんなこと思ってない。
わかってる。わかってるけど…





でも、このままこの奇跡が終わるんわ、嫌やわ。





















だから、俺は


















去っていく美しい後ろ姿に、声をかけてしまった。






















レトルト「ねぇ、待って」


足を止め、振り返る。


いちいち可愛いと思ってしまうのは…気のせいなんかじゃないのかもしれない


レトルト「あ、のさ…」


引き止めたわりにはどうでもいいことを聞いてしまうと分かっていた


レトルト「また、会えるかな」


やっぱり俺は、こんなことしか言えない…勇気なんて、ない


でも彼女は、その可憐な手を俺に差し伸べるかのように、言葉を発した。


あなた「会えますよ、きっと。
もしかしたら、明日かもしれませんね」


今まで聞いてきた沢山の言葉のなかで、1番嬉しい言葉に思えた。


レトルト「なんやそれ笑
…ありがとう」


照れ隠しに言うありがとうは、俺自身にもよく分かってないくらいにしっかり言えたきがした。


でももう1つだけ、聞きたかった。


レトルト「あ、じゃああと少しだけ」


きっとこれから忘れられないことを、1つだけ。


あなた「なんですか?」


レトルト「名前、教えてや」


あなた「桜空あなたっていいます
…じゃあ、また明日。」


あなた…うん。もう忘れない。
俺のなかで、彼女の名前がすっと溶け込んだ。


レトルト「あなた…いい名前やね!
…うん、また、明日。」


お互い背を向けて歩き出した。


自然と いつか が 明日 になっているのに嬉しく思ったんは、俺だけなんやろな…






そらら
そらら
はい、どうもそららです!

今回いきなりよくわかんない展開ですねすみません…

なんかこう、頭の中でぽんぽん出てきた言葉をつらつら書いていったらこうなっちゃったんです…許して(´;ω;`)


お互いにお互いの想いには気づかない鈍感な2人、というのが私が思うこの2人の共通点かなあって思ってます

これからどうなるのかは、次を見ればわかります!(当たり前)


それでは、読んでいただいてありがとうございました!

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