~モトキside~
俺はついに抑えていた涙が溢れてしまった。
あー…マサイ困ってるって!
もっと気持ち強く持てよ俺!…くそ。
するとマサイは俺を優しく包み込んでくれた。
嬉しかった。
きっと俺の人生でそんなことを言ってくれるのはマサイだけだ。
…え?
…驚いた。
マサイが、俺を…好き?
いつも相談にのってくれて、男のことが好きな俺を軽蔑もせず受け入れてくれた。
ぺけたんのことで辛いことや悲しいこと
時には嬉しかったことを聞いてくれた。
そのマサイが俺を好き?
俺は混乱している。
マサイの告白に驚いたのもある。
でも、好きだという言葉に嫌な気はしない。
…それでも、
嬉しいながらも俺の中にはぺけたんがいて、
それは消えることは無かった。
それから俺たちは解散した。
マサイは家に帰り、俺は家に1人になった。
両親はいない。
ペケのことを思い出した。
きっと今頃、彼女とイチャイチャしているのだろう。
考えるだけで辛い。
今日はもう遅いし、早く寝よう。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。