~モトキside~
次の日
いつも通りに学校へ向かった。
後ろからマサイが背中を叩いてきた。
まだどこかに気まずさがあった。
きっとマサイはもっと気まずさがあるはず。
それでもこうして話しかけてくれる。
こいつはほんとに良い奴だ。
それなのに俺が気まずくなってちゃダメだよな。
なんて他愛もない話をしているうちに学校へついた。
マサイと俺はクラスが違うため教室の前で別れた。
まだ朝早いから教室にはあまり人がいなかった。
その中に1人で座っているペケを見つける。
昨日の光景を目の当たりにして、気まずさはあった。
でもペケはその事を知らないんだからオドオドしてたら変だ。
…?
いつものペケじゃない。
肩が落ちていて今にも倒れてしまいそうな…。
そう言って俺はペケのおでこに手を当てた。
ペケのおでこはやけどをしそうなくらい熱く、倒れてもおかしくない。
俺はペケをおぶって保健室へ行った。
熱を測ると40℃とかなりの高熱だった。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。