第41話

だから人はその感情に溺れるのだろう
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2025/11/28 08:00 更新


*side 千空




窓から差し込む朝の光で、
そっと目を開ける。

横を向けば、
まだ眠ったままのあなたがいた。


寝起きのぼんやりした頭で、
昨日のことが、断片的に浮かんでくる。


ただの反射のはずのまぶたの震えとか
触れた肌の温度とか
キスの合間の、息が漏れた声とか。


(……俺も大概だな)


そういうのは全て、
論理的に捉えてたはずだったのに。


オキシトシンがどうだとか
アドレナリンがどうだとか

そういう仕組みの話なら、
腐るほど知ってる。


けど、

こうして自分の隣で寝てるこいつを見てると、
それは、想像してたより


ずっと、



「はぁ……」


思わず、
そんなのに振り回されてる自分に
ため息がでた。


まだ寝てるあなたの、少し開いた唇。

昨日、何度も触れた
その感触、声、表情。


今のこいつを見てると、
それがまだ、体のどこかに残ってる気がして。


そんな思考をかき消すようにして、
あなたに声をかけた。



「そろそろ、起きろ」

「ん〜……んぅ」



もぞもぞと動いて、
ゆっくりと目をひらく。



「おはよぉ……」



寝ぼけまなこで俺を見たかと思えば、
横になったまま俺に抱きついてきた。



「今日は行くんだろ?仕事」

「……うん」

「だったら、そろそろ起きる時間だろ」

「……うぅ〜ん」



きゅっと、
しがみつく腕に少し力がこもる。



「もう少し、こうしてたい……だめ?」



…………。



「だめだ」



そう口にしたのは、
自分の中の何かに蓋をためだった気もする。



「えー、いじわるだぁ」

「あ?いじわるでもなんでもねぇよ」



じゃないと
また触れたくなるから。



「昨日あんなにイチャイチャしたのに〜」

「いちいち言うな、そういうの」



思考が、乱れるから。



「じゃあ、ちゅーしてくれたら起きる!」



………………。





「……はぁ」

「なんでため息〜?」


……ったく、こっちの気も知らねぇで。


言われるまま頬に手を添えると、
あなたは期待を含んだ目で俺を見る。



こいつにも、感情にも、
振り回されてる自分が心底めんどくせぇと思う。



──── それなのに、



「……ん」


そっと唇を重ねて顔を見れば、
満足したように笑うあなたの顔。


「これで今日も頑張れる〜!」

「おら、さっさと準備しろ」

「はーい!」


その"心底面倒くさい"を
心地いいと感じている自分がいることも
紛れもない事実だった。




❁⃘*.゚ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ❁⃘*.゚


このお話は、
付き合ってから同棲するまでのお話。
その春が来るまでは、実はもうあと少し…

🐰
  Thank you 🔦  
  ゆいっぺさん 初🔦ありがとうございます🌸
かっちゃんかっこいい…!!

夢 と るゅさんも いてくれて
温かい気持ちです☺️ありがとうです🕊‎🤍

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