柔らかいシーツの上で、
私の手に千空の手が重なったまま
ふたりで静かに息をついた。
頭の中は、ずっとふわふわしていて、
溢れてくるのは、
ただただ、"愛おしい"という気持ちだった。
絡めていた指先をそっとほどいて、
私はきゅっと千空に抱きつく。
「ねぇ、千空」
「ん?」
「私……今、すっごい幸せ……」
顔は見えない。
だけど千空が、かすかに笑った気配がした。
その直後、
ふっと体が離れる。
千空は私の頭の横に手をついて、
見下ろすように顔を覗き込む。
そして、もう片方の手で
そっと私の頬に触れた。
「……あぁ」
すごく、
優しい表情をしていた。
言葉は少ないけれど、
きっと私と同じ気持ちなんだって、
それだけで全部が伝わってくる。
ふ、と千空の視線が揺れて、
何かを考えているように変わったかと思うと、
「……待ってろ」
そう言って、
すっと立ち上がる。
「えっ?」
布団の中から小さく問いかけるけど、
千空は答えない。
そのままリビングの方へ向かって行った。
数分もしないうちに、
千空が戻ってくる。
手には、水の入ったグラス。
「水、飲んどけ」
「ありがとう……」
受け取ったグラスの冷たさが、
じんわり手のひらに伝わる。
たしかに喉が少し渇いていたから、
一口飲んだだけで、なんだかほっとした。
「……なんか、意外だね。こういうの」
思ったままを口にすると、
千空は少しだけ眉をひそめた。
「あ?体温上がったら水分減んだろ」
「…………」
いや、言い方ね?
もうちょっと他にあるでしょ
……とは思うけど、
ちゃんと私のことを見て、
気づいてくれたってことに変わりはない。
「はいはい、ありがとう」
そう言って、
千空の頬に軽くキスをした。
そんな私をじっと見てた千空が、
また不意に言う。
「……体、どこも痛くねぇか?」
思わず、
コップを持つ手が止まる。
「うん、大丈夫……」
そう答えながらも、
胸の奥がじんわりあたたかくなっていく。
「……気にしてくれたの?」
「別に。確認だ、ただの」
「ふふっ」
それだけの言葉なのに、
“大事にされてる”って
ちゃんと伝わってくるんだ。
「……泊まってく?今日」
「……あー、まぁ、
もうこの時間だしな。そうするわ」
「ふふ、いぇーい」
思わず小さくガッツポーズ。
それを見た千空が
少しだけ肩を揺らして笑った。
やわらかい暗がりの中で、
シーツがふたつの体を包む。
しばらくすると、
隣から聞こえる静かな寝息。
その音に耳を傾けながら、
私はそっと目を閉じた。
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夢 るゅさん(こっちでもおかえりなさい!) ぐれいさん
ありがとうございます( *´꒳`*)💗













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。