第2話

体育館
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2020/08/15 13:03
あなた

北ちゃん 帰るよ

北人ほくと
お、あなた
ちょっと待ってて
あなた

はーい

夕方の体育館



私の2番目に好きな場所。



そして、目の前には私の大好きな人。



バスケ部のエースでポジションはポイントガード



私の幼なじみ



吉野北人。





あなた

汗までかっこよく見える…

髪から垂れる汗



それを拭いながらモップ掛けをする仕草



かっこいい…
北人ほくと
ねぇ、あなた
あなた

ん?

北人ほくと
北ちゃんって呼ぶのやめて欲しいなぁ
あなた

え?なんで?

北人ほくと
子供臭い
ほっぺをプクぅーってさせながら言う北ちゃん



絶対子供臭い名前が北ちゃんにはあってる……
あなた

じゃあ、吉野がいいの?

うちの学校では北ちゃんの事をみんな「吉野」とか
「吉野先輩」とか「吉野さん」とか



苗字で呼んでいる



北ちゃんって呼んでるのは私だけ←自慢
北人ほくと
それは嫌だ
あなた

じゃあ、なんて呼んで欲しいの?

北人ほくと
北人
あなた

…よし。北ちゃんね。

北人ほくと
ちょ、嘘だろ(笑)
「北人」なんて呼べるはずがない。



好きな人を下の名前で呼ぶのなんか付き合ってるみたいじゃん!



無理!絶対無理!
あなた

片付け終わった?終わったなら帰るよ

北人ほくと
はーい
私の放課後



幼なじみが幼なじみと帰る平凡な日常

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