第16話

放課後ボッチ─樹side
305
2020/12/23 21:45
北人さんとあなたさんがキスをしているところを見て俺は気付いた



俺は、あなたさんが好きなんだって
イツキ
はぁ〜
誰もいない放課後の教室でため息を付く



なに、少女マンガみたいな恋しちゃってんだろ、



少女マンガじゃ最終的には付き合えるけど
イツキ
俺は無理でしょ
とか言って 苦笑いすることしか今の俺にはできない
あなた

あ、樹くん!

廊下の方から聞こえるあなたさんの声に驚く
イツキ
あ、え、あなたさん
あなた

すごいおしゃれなことしてるね(笑)

失礼しまーすって言いながら教室に入り俺の前の席に座る
イツキ
これがおしゃれなことですか(笑)
放課後ボッチ俺もうやめたいですよ
あなた

ふーん、もしや好きな子いるな?

からかうような目で見てくるあなたさん
イツキ
可愛い……
あなた

ん、え!、

イツキ
あ、え、っと……好きな人が可愛いんです
あなた

あ、うんそっちだよね(笑)
あ〜、びっくりした

赤くなったはっペを手で仰ぐ



それであの赤いの無くなるのか?って思ったのは生意気な後輩に思われたくないから内緒
北人ほくと
あ!?あなた!なんでこんなところにいるの!
あなた

え、北ちゃん!
北ちゃんが急に居なくなるからだよ

北人ほくと
トイレ行ってくるって言ったじゃん
それに、なんで樹といるの!浮気!
あなた

浮気じゃないよ 北ちゃんなら樹くんのクラスかな?と思って来たんだから

その証拠にあなたさんの手にはカバンが2つある



お揃いの豚のキーホルダーつけてるんだ



絶対北人さんだな 選んだの
北人ほくと
そっか、よかったぁぁあぁ 
あなた嫉妬深い俺嫌って樹のところ行っちゃうのかと思った
あなた

私には北ちゃんだけだから安心して

北人ほくと
よし、じゃー帰るか
このあなたさんの一言で決まった



いや、その前からわかってたけど



俺の好きな人は俺を好きじゃない



目にさえ映ってない



声だけが聞こえてるんだ



彼氏の後輩として
あなた

じゃ、私たち帰るね
樹くん ファイト!

北人ほくと
じゃーな!
俺の前で手繋がないでくださいよ



とか、言いたかったけど俺の心ズタボロだからそんな事言ってる暇ないんだよね

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