レオナ「……は?」
レオナの口からはものすごく低い声の……は?が出た
だがその声は小さく普通の人間には聞こていなかった
そう、普通の人間には
あなた「ッ…………」
少女も獣人
耳がいい。つまり、この場にいるラギー以外の者で彼の声を聞いたのは少女だけであった
学園長「…えっと、この少女は?」
デブー「ホワイトタイガーの獣人だ。稀であろう。白い髪に蒼い瞳、体つきも申し分ない」
学園長「えぇ、まぁ」
学園長も教師の端くれ
目の前にいる少女が、自分の生徒たちと同じくらいなのは理解していた
それと同時に、なぜこのような格好なのか疑問に思うのもつかの間
すぐに答えは出た
デブー「奴隷だ」
レオナ「…………」
学園長「ど、奴隷……ですか」
デブー「まぁ、夕焼けの草原では獣人を奴隷扱いしてはいけないという決まりがあるが、欲には逆らえんよ」
ラギー「…」
レオナとラギーは、ホワイトタイガーの獣人
あなたを見ていた
もちろん他の生徒もこんな話を聞かされて良い気分になる者はいない
誰も何も口にはしなかった
ラギー「…その首輪はなんスか」
デブー「首輪、あぁこれか。こやつはまだ言う事をあまり聞かないからな
こうして躾をしてるのだ。まぁ、最近は大人しくなってきてるが……そうだいい物を見せてやろう
あなた、足を舐めろ」
この一言で、この場にいる全員が理解した
さっきから良い人を装っているが、チラチラと本性が見えだした
これは、人を人として見ていないやつの目だ…と
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!