嫌いなアイツの守護霊になってから、初めての土日。
学校は休みだけど、
鷹宮悠馬はバイトをいくつも掛け持ちしていた。
午前は喫茶店、午後はコンビニバイトと
多忙な週末を送っていて、
守護霊の私までそれに付き合わされている。
夜勤のコンビニのバイト中、
少しぽっちゃりとしたおじさん店長が気さくに話しかけてきた。
そう言って、私が浮かんでいる方向にちらっと
視線を向けた。
そんな風に全幅の信頼をおかれても困るんだけどな。
この前の悪霊は、
阿部くんがいたからなんとかなったわけだし。
一抹の不安を抱えながら、レジの前に気だるそうに突っ立っている鷹宮悠馬に視線を向けた。
私は中学の頃、阿部くんに救われた話をした。
名前をバカにされた私が、今の「オバケ」というあだ名すら好きになってしまったことも。
ケラケラと笑うこの失礼な男に、
私は阿部くんの本当の良さを語る。
この男にドン引きされるなんて、解せない。
ふと、気になっていたことを聞いてみた。
今年から阿部くんと同じクラスになったくせに、
もう親友みたいに仲良くなっている。
正直死ぬほど羨ましい。もう死んでるけど。
入学してすぐ学校1の女タラシで有名になった鷹宮悠馬は、男友達ができなかったらしい。
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私は阿部くんの存在の尊さに、
顔を覆ってしばらくうち震えることしかできなかった。
そう言って、少し嬉しそうに頬をゆるませた。
阿部くんの親友として、
ちょっとは認めてあげてもいいかもしれない。
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。