第17話

アイツの様子がおかしいのですが
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2026/08/17 09:00 更新
大羽 圭子
大羽 圭子
もう朝ですよ〜!
起きて〜〜
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
……っ!
か、顔近いって!!

しゅばっと不自然に飛び起きた鷹宮悠馬は、
顔を真っ赤にしている。

最近なんだか、コイツの様子がおかしいのは
気のせいだろうか。

たどたどしい話し方で、距離感が近いと抗議してくる。

大羽 圭子
大羽 圭子
近いって言われても困るんだけど
どうせ5メートル以上は
離れられないんだし、我慢してよ
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
そうだけど
またいつ唇を奪われるか
わかったもんじゃねーし
大羽 圭子
大羽 圭子
私をふしだらな女みたいに!
もう無断では憑依しないって
約束するよ
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
どうだか

ふいっと視線を逸らされ、
なんだか少し避けられているように感じて寂しくなる。
大羽 圭子
大羽 圭子
(……もし嫌われてたとしても
守護霊としては役に立たないとね!)

私はひそかに気合いを入れた。


———学校からの帰り道。
夕日が沈みかけていて、町は薄暗くなっていく。
悪霊
ぅ……ぁ……

最近はめっきり近づいてこなかったのに、
悪霊が一体、鷹宮悠馬の後ろをついてきているのが見えた。

鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
目、合わせんなよ……
大羽 圭子
大羽 圭子
いいの?
あの悪霊ついてきてるよ
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
大丈夫
無視してたらどっか行くからさ。
家までついてきたら困るから
回り道するぞ

気丈に振る舞っているように見えるけど、
手を固く握って僅かに冷や汗もかいている。

大羽 圭子
大羽 圭子
(やっぱり怖いよね……)
大羽 圭子
大羽 圭子
私、追い払える気がする
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
はあ?テキトー言うなよ
あんたは阿部とか
マリアって神様と違って
なんの力もないんだから
大羽 圭子
大羽 圭子
そうかなぁ……?

阿部くんに想いを伝えるために、
マリア様から力の使い方を教わった時、
何かピンときたことがある。

大羽 圭子
大羽 圭子
(あの時マリア様が言ってたけど
私の思いの強さが力になるんだよね……)

自分の手のひらをじっと見つめると、
微かに光を放った気がした。

大羽 圭子
大羽 圭子
……っ!

そんな風に目を離していた瞬間、悪霊は気づかないうちに鷹宮悠馬の足を掴んでいた。

悪霊
ぅうう……ぁあああ!!
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
……ひっ!
はなせっ!!

声にならない悲鳴をあげて、
足をぶんぶんと振り回している。

今にも泣きそうになっている顔を見て、
私は怒りでカッとなった。
大羽 圭子
大羽 圭子
なにしとんじゃぁああ!
悪霊退散ーーー!!

私は無意識に悪霊をぶん殴っていた。
思いの強さが力になる。

マリア様の言っていたことは本当のようで、
私の拳は光を纏い、
殴られた悪霊は散り散りになって消滅した。
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
え……あんた何した?

放心状態の鷹宮悠馬に、私はキラキラとした目で答える。
大羽 圭子
大羽 圭子
私、強くなったんだ!
これなら近寄ってくる悪霊も
私がなんとかできるかも!
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
ほんとかよ?
あんまり期待は
できなさそうだけど

少し眉を寄せて、疑い深くこちらを見てくる。

大羽 圭子
大羽 圭子
守ってあげられるのも
あと1ヶ月もないんだから
もうちょっと感謝してくれても
いいんじゃないの?
私がいなくなったら、コイツはどうするんだろうか。

また以前のように誰か人を側に置いて、
ひたすら怯えて耐えるだけなのだろうか。

そんなの、すごく可哀想だ。
大羽 圭子
大羽 圭子
そうだ!
悪霊がつきやすいその体質を
根本的に解決できないのかな?
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
無理無理!
お祓いとか、ネットの怪しい数珠とか
今までどれだけ試したと思ってんの?
どんな方法でも無駄だったんだよ
大羽 圭子
大羽 圭子
そっか……
でも、私がいなくなっても
大丈夫?
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
……大丈夫だって
てか、そもそも
そういう約束だっただろ?
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
あんたもしかして
俺のこと心配してる?
大羽 圭子
大羽 圭子
そりゃ心配だよ
当たり前でしょ!

私はぐいっと鷹宮悠馬に近づき、顔を覗き込んだ。
どうせ強がりで「大丈夫だ」なんて言ってるんだろうし。

だけど、ふいっと顔を逸らした鷹宮悠馬は、
すらすらと悪態をついた。
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
うぜーー
そういうのお節介って言うんだよ
知ってる?
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
俺はあんたがいなくなっても
全然寂しくないし!
むしろさっさといなくなってくれた方が
せいせいするから
大羽 圭子
大羽 圭子
え……

私の顔を見たアイツは慌てて口を手で塞いで、
あたふたとし始める。

鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
今のは……
その言葉のあやっていうか……!

そんな会話を遮るように、突然おばあさんが私たちの間に割って入ってくる。

???
???
ならワシが、
この子を祓ってやろうか……!
大羽 圭子
大羽 圭子
……え、何っ!?

おばあさんは護符のようなモノを手に、私へと襲いかかってくる。

大羽 圭子
大羽 圭子
ぎゃああーーー!!

私はとっさに目をつぶり、大きな叫び声をあげた。

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