しゅばっと不自然に飛び起きた鷹宮悠馬は、
顔を真っ赤にしている。
最近なんだか、コイツの様子がおかしいのは
気のせいだろうか。
たどたどしい話し方で、距離感が近いと抗議してくる。
ふいっと視線を逸らされ、
なんだか少し避けられているように感じて寂しくなる。
私はひそかに気合いを入れた。
———学校からの帰り道。
夕日が沈みかけていて、町は薄暗くなっていく。
最近はめっきり近づいてこなかったのに、
悪霊が一体、鷹宮悠馬の後ろをついてきているのが見えた。
気丈に振る舞っているように見えるけど、
手を固く握って僅かに冷や汗もかいている。
阿部くんに想いを伝えるために、
マリア様から力の使い方を教わった時、
何かピンときたことがある。
自分の手のひらをじっと見つめると、
微かに光を放った気がした。
そんな風に目を離していた瞬間、悪霊は気づかないうちに鷹宮悠馬の足を掴んでいた。
声にならない悲鳴をあげて、
足をぶんぶんと振り回している。
今にも泣きそうになっている顔を見て、
私は怒りでカッとなった。
私は無意識に悪霊をぶん殴っていた。
思いの強さが力になる。
マリア様の言っていたことは本当のようで、
私の拳は光を纏い、
殴られた悪霊は散り散りになって消滅した。
放心状態の鷹宮悠馬に、私はキラキラとした目で答える。
少し眉を寄せて、疑い深くこちらを見てくる。
私がいなくなったら、コイツはどうするんだろうか。
また以前のように誰か人を側に置いて、
ひたすら怯えて耐えるだけなのだろうか。
そんなの、すごく可哀想だ。
私はぐいっと鷹宮悠馬に近づき、顔を覗き込んだ。
どうせ強がりで「大丈夫だ」なんて言ってるんだろうし。
だけど、ふいっと顔を逸らした鷹宮悠馬は、
すらすらと悪態をついた。
私の顔を見たアイツは慌てて口を手で塞いで、
あたふたとし始める。
そんな会話を遮るように、突然おばあさんが私たちの間に割って入ってくる。
おばあさんは護符のようなモノを手に、私へと襲いかかってくる。
私はとっさに目をつぶり、大きな叫び声をあげた。
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。