体勢を整えた私たちは、改めて向かい合った。
両手を顔の前で合わせて必死にお願いされると、
こちらも悪い気はしない。
それに悪霊へのあの反応を見る限り、
オバケの類がとても苦手なのだろう。
恥ずかしそうにそう言った鷹宮悠馬は、
意外なことを語り始めた。
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——高校1年のとある放課後。
私は隣のクラスの鷹宮悠馬と、初めて顔を合わせた。
保健委員として、先生から保健だよりを
ホッチキスで止める作業を頼まれたからだ。
早めに集合場所の空き教室で待っていると、
少し遅れて鷹宮悠馬がやってきた。
そう私、大羽圭子はもとより影が薄いのだ。
オバケ扱いされることなんて、いつものことだった。
目に涙を溜めて、震える鷹宮悠馬。
ゆっくりと立ち上がった鷹宮悠馬は、真っ青だった顔色をみるみる赤く染めた。
そう言って逃げるように教室を去って行った。
2人でやるはずだった大量のホッチキス作業を残して。
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鷹宮悠馬は相変わらず、
「モテたい」という浅ましい思考をしている。
だけど、こう見えて人一倍怖がりで臆病な一面を持っているらしい。
今まで見たことがない真剣な表情。
よっぽどオバケが怖いのかと少しかわいそうになった。
お互いが了承した途端、私の身体が光り輝いた。
鷹宮悠馬から離れようとした途端、
ぐいっ!!と謎の力によって引き戻される。
何度か離れようと試みるも、
見えない引力により引き戻されること数回。
どうやら私はこの大嫌いな男から、5メートル以上離れられない身体になってしまったらしい。
こうなることを知ってたら、
守護霊なんて承諾しなかったのに。
軽はずみな選択を、早くも後悔することになった。


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!