今思えば、大羽圭子は初めて出会った時から
気になって仕方がない存在だった。
俺は幽霊が見える体質で、本当は臆病な性格。
そんな弱み、誰にも知られたくはなかった。
女子たちには特に。
だけど、コイツには初めて会った時から、
情けない顔を晒してしまった。
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——高校1年のある日。
隣のクラスの大羽圭子と、
同じ委員会になり初めて顔を合わせることになった。
しかしその一週間前から、執着心の強い悪霊に追いかけ回されており、一睡もできていなかった。
最悪のタイミングだったのだ。
俺は一人になるのが怖くてギリギリまで
女の子を引き留め、少し遅れて委員会に顔を出した。
ぱっと見では気づかないほど、影の薄い人間。
そんなものいるはずがない。
だから俺は大羽圭子を悪霊と見間違えたのだ。
この一週間は家の周辺でしか見かけなかったのに、
まさか学校までついてきたのか?
恐怖の対象である悪霊との接触に、
自然と涙が出てくる。
そこで俺は勘違いをしていたことを悟った。
変なヤツだと思われた?
女子相手に涙まで見せる臆病者だって?
こんなことが知れたら、今まで作り上げた
モテモテの俺のイメージが崩壊してしまう……。
また一人でこの体質と向き合わなきゃいけないのか?
一瞬ですべての感情が襲ってきた。
混乱、後悔、恐怖、羞恥。
そして俺は最大のミスを犯してしまう。
そう、俺はちっぽけなプライドを守るために、
大羽圭子を脅して委員会をすっぽかしたのだ。
女子に対してそんな愚行に出てしまったことを後悔した俺は、その後大羽圭子に謝る機会を伺っていた。
だけど影が薄く神出鬼没な彼女は正攻法では、
なかなか見つけられなかった。
人に聞いてもわからない。
出席はしているはずなのに、席にも……。
神出鬼没というのは間違いで、
本当はずっとそこにいるのかも知れない。
これがきっかけで、俺はいつしか大羽圭子を
無意識に探すようになっていた。
そしてとある法則を見つける。
大羽圭子は阿部という男子をいつも影から
見守っていたのだ。
そして、甲斐甲斐しく落とし物や
困りごとをこっそりと解決している。
阿部本人にはもちろん、他の誰にも気づかれないのに。
なぜか軽蔑の眼差しを向けられ、用意していた謝罪の言葉は吹き飛んでしまった。
女子に嫌悪感丸出しの対応をされることが新鮮で、
俺はそれから大羽圭子のことを度々からかうようになっていった。
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きっと初めて会った時すでに、
大羽圭子は俺の特別な存在になっていたのかもしれない。
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!