第23話

封印されたぬいぐるみ
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2026/09/28 09:00 更新

 翌朝、私たち一行は鷹宮家に別れを告げた。

母親
じゃあね、悠馬

親らしからぬ別れの言葉を告げ、母親はあっさりとドアを閉めた。

しかし次の瞬間——。

阿部くんがそのドアを足で止めて、
家の中の家族へと大声で話しかける。

阿部 大吾
阿部 大吾
鷹宮が実家に帰りたがらない
理由がわかりました!
阿部 大吾
阿部 大吾
あなた方の振る舞いは、
大事な息子にする態度じゃない
阿部 大吾
阿部 大吾
いつかきっと天罰が下ると思います!
お邪魔しました!

にこっと笑顔で言い放ち、
玄関のドアを閉める阿部くん。

鷹宮悠馬はポカンとした顔で固まっている。

阿部 大吾
阿部 大吾
悪い鷹宮、つい……
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
いや……なんか、ありがとう
シゲさん
シゲさん
はっはっは!よく言った!!
マリア様
マリア様
……さすが大ちゃんね

なんだか誇らしげに微笑むマリア様。
私も思わず阿部くんを褒め称えた。

大羽 圭子
大羽 圭子
……やっぱり阿部くんは
かっこいいよ!

しかし、それを聞いた鷹宮悠馬がギロリとこちらを睨んできた。

鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
なんだよその反応
もう吹っ切れたんじゃねーの?

なんだかトゲトゲしい言い方に、少しむっとする。

大羽 圭子
大羽 圭子
別にそういう意味じゃないよ
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
かっこいいとか浮かれやがって……
そう言う意味だろ
すると、マリア様が横からぼそっと一言呟いた。
マリア様
マリア様
嫉妬は醜いわよ
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
は!?だから、
そんなんじゃねえって!

かぁあっと真っ赤になった顔を見て、
私はふとマリア様の言っていた言葉を思い出す。

マリア様
マリア様
嫌われているわけじゃなくて
むしろその逆よ
え?

つまり、嫌いじゃないってことは
私が好きってこと……?

大羽 圭子
大羽 圭子
(この私を?コイツが……?)
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
っ……!
こっちみんなバカ!

ははは……まさかね。

マリア様はきっと何か誤解をしているのだろう。

数多の女子たちを手玉に取ってきた
女たらしの鷹宮悠馬が、こんな地味で影の薄い私を
好きになるわけがない。

だけど、なぜだか少し胸がドキドキと高鳴っていた。






 そして私たちは、ぬいぐるみがお焚き上げされた常火ノ宮(とこひのみや)神社へと到着した。

古びた神社の境内には、供養された人形たちが飾られ、異様な光景が広がっていた。

私たちはまず、神主さんに話を聞くことにした。

シゲさん
シゲさん
ワシらは、
とあるぬいぐるみを
探しているんだ
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
3年ほど前に、
お焚き上げでここへ持ってきたと
言っていたんですが、
うさぎのぬいぐるみで……
神主
それは、もしかして……

何かを察した神主さんの顔色が徐々に青ざめていく。

神主
3年前、うさぎのぬいぐるみを
お焚き上げしたんですが
実は全く焼けなかったんです
シゲさん
シゲさん
やっぱりね……
神主
相当強い呪力を持っておりまして
「呪物」として神社の奥に
封印しているんですが……
最近その封印が
解けかけてきているんです
シゲさん
シゲさん
そのせいで日に日に
呪いの力が強まっている、
違うかい?
神主
その通りです。
ですから、お見せすることも
近づくこともできません!
お帰りください!
そう言って神主さんは社へと踵(きびす)を返そうとする。
しかし、シゲさんが慌てて引き止めた。
シゲさん
シゲさん
そこをなんとかお願いだよ!
ワシなら祓えるかもしれん!
だから一目だけでも……!
いいだろ?
神主
……遠くから
見るだけですからね

シゲさんの説得のおかげで、神主さんは渋々許可を出し、私たちを社の奥へと連れていった。

社の中には、厳重に鎖とお札で封印された桐の箱がぽつんと置かれていた。

シゲさん
シゲさん
これはすごい殺気だねえ……
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
あの箱の中に入ってるんですか?
神主
ええ。
ですが、これ以上
近づくと危険で……
神主さんの言葉が終わる前に、
突然バキっと音を立てて箱が壊れる。

ぎぎぃ……と箱がひとりでに開き、
中から凄まじい形相をしたぬいぐるみが顔を出した。

そしてそのぬいぐるみは、
鷹宮優馬めがけて飛びかかってきたのだ。

鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
うああっ……!

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