第22話

カルい男が抱える孤独
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2026/09/21 09:00 更新
 鷹宮悠馬はゆっくりと語り出した。

鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
俺の母さんは
誰かわからない男との間で
子供を作ったんだ。
……それが俺だった
大羽 圭子
大羽 圭子
え……じゃあ
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
ああ、俺は母さんの連れ子なんだ。
だから父さんと俺は血が繋がってない
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
父さんが弟ばかり可愛がるのは、
当然のことなんだ

声が静かな客間に響く。

鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
俺が3歳の頃、弟の斗真が生まれた。
でも、斗真は身体がすごく弱かったんだ。
赤ちゃんの頃からICUに入って、
明日生きられるかもわからなかった
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
だから余計に母さんも父さんも
斗真の看病につきっきりで、
俺に目を向ける暇はなかったってわけ

天井をぼーっと眺め、悲しげな声が続く。

鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
どんだけ勉強して
テストで100点とっても
運動会で一位をとっても
振り向いてくれなかった
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
授業参観には、
一回も来てくれたことはなかったよ
大羽 圭子
大羽 圭子
そんな……

家族からそんな風に扱われる孤独は計り知れない。
しかも幼い頃に。

私はなんて声をかけていいのか、わからなくなった。
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
そんな顔すんなって。
俺が可哀想?
大羽 圭子
大羽 圭子
ちがう……
ただ、今ここに小さい頃の
あなたがいたら、
迷わず私の家に連れて帰るなって
思ったんだ
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
なにそれ誘拐?
大羽 圭子
大羽 圭子
うん。
誘拐してでも
いっぱい美味しいご飯食べさせて、
いっぱい遊んであげたいなって
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
ぷっ……なんだよそれ
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
でもありがとう
あんたがいなかったら
俺こんな家、絶対に
帰ってきたくなかったから
大羽 圭子
大羽 圭子
私は、ちょっと後悔してるよ。
呪いを解くためとはいえ、
私が実家へ行こうなんて
言ったから……
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
いいんだ。
こんな機会でもないと
帰って来ないし
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
それに、俺
母親には感謝してるから
大羽 圭子
大羽 圭子
え……なんで?
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
だって、こんなにも
イケメンに産んでくれたから

そう言っておちゃらけて笑って見せる。

鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
この顔のおかげで
今の女たらしキャラを演じることが
できたしな〜!
大羽 圭子
大羽 圭子
演じてたの?
本心から女好きなんじゃなくて?
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
ひでー!
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
……俺は結局
臆病で、ただ孤独が怖いだけの
ちっぽけな人間なんだよ

そうポツリと呟いた鷹宮悠馬は、ゆっくりと目を閉じた。

鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
いっぱい喋ったら眠くなってきた
もう寝る……
大羽 圭子
大羽 圭子
うん、おやすみ……

少ししてすぅすぅと気持ち良さそうな寝息が聞こえてきたので、ほっとする。

鷹宮悠馬の境遇は、思っていたよりもずっと寂しいものだった。

私は影が薄くひっそり生きていたけど、
両親に愛され、大好きな人もいて、ずっとずっと幸せだった。


大羽 圭子
大羽 圭子
(私がそばにいられるのもあと少し
だけど、このまま放っておけないよ……)

タイムリミットは刻一刻と迫っている。

でも、鷹宮悠馬という人間を知れば知るほど、
私はこの関係が終わるのが怖くなっていた。



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