第10話

オバケの告白大作戦
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2026/06/29 09:00 更新

 マリア様の助言を元に、私はいろんな方法で
阿部くんへ想いを伝えることにした。

その夜、鷹宮悠馬に紙とペンを用意してもらった私は、全力で机に向かっていた。

大羽 圭子
大羽 圭子
ぅおおおおおお!!

オバケはもちろん実体のあるモノを動かしたり、
持つことはできない。

だけど修行すれば、ポルターガイストのように大きなモノも動かしたり、声を届けたり、写真に写ったり
「心霊現象」として生きている人に何かを伝えることができるらしいのだ。
マリア様
マリア様
コツはね、想いの強さよ
そうね……イメージするの
マリア様
マリア様
大ちゃんへの強い恋心を
動かしたいモノにぶつけてみるとか?
マリア様からの助言を思い出し、
私は動かしたいペンへと集中する。

大羽 圭子
大羽 圭子
(阿部くんは尊い尊い尊い……!!)

すると、ぺンが宙に浮いた。

大羽 圭子
大羽 圭子
浮いた!!
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
ラブレターでも書くつもり?
大羽 圭子
大羽 圭子
ぎゃ!!

急に後ろから鷹宮悠馬が覗き込んできて、
ペンはポトリと机の上に落ちた。

大羽 圭子
大羽 圭子
集中してるから
今は話しかけないで
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
大変そうだし
なんなら俺が書いてやろうか?
大羽 圭子
大羽 圭子
そんなの意味がないよ
想いは自分で伝えなきゃ!

そう言うと、鷹宮悠馬はふわっと優しく笑った。
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
それもそうだな
まぁ、せいぜい頑張れよ

初めて見る優しい笑顔に、少しだけ驚いた。

大羽 圭子
大羽 圭子
(何、今の顔。そんな顔で笑うんだ……)

 しかし、苦労して書きあげた手紙は、
入れる下駄箱を間違えたせいであっけなく別の男子に渡ってしまった。

男子生徒
ついに俺にも
モテ期到来!?
男子生徒2
見せろ!なになに……
「好きです」ってシンプルだな〜
名前も書いてねーしイタズラじゃね?
男子生徒
はあ!?
誰だよ俺の心を弄んだ奴はーー!
柱の影から様子を伺っていた私は、心底落胆した。
大羽 圭子
大羽 圭子
3時間かけて書いたラブレターが……
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
まあ、他の方法も試してみれば?
大羽 圭子
大羽 圭子
そうだね……
まだ方法はある
 それから一週間、私はあらゆる方法で阿部くんにアプローチをかけた。

ある日は阿部くんの耳元で告白してみたり。
大羽 圭子
大羽 圭子
好きです!!
阿部 大吾
阿部 大吾
ん?なんだ、蚊か?
「「パチン!!」」
大羽 圭子
大羽 圭子
ちがーーーう!

自分としては大声のつもりだったが、
どうやら蚊の羽音くらいの音量しかなかったらしい。

また翌日は、鷹宮悠馬に協力してもらい心霊写真として写り込んでみたり。
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
阿部〜自撮りとろーぜ
阿部 大吾
阿部 大吾
お、いいぜー
「「カシャッ」」
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
なんか阿部の隣に
手でハート作ってる幽霊が
写り込んでないか?
阿部 大吾
阿部 大吾
うわ、本当だ!すげー!!
俺、こういうの初めて見た
大羽 圭子
大羽 圭子
(うそ、やった……!気づいてくれた!)
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
なんかこれ
誰かに似てね?
大羽 圭子
大羽 圭子
(お、ナイスアシスト!)
阿部 大吾
阿部 大吾
ああっ!わかった!!
学校の7不思議
トイレの花子さんだ!
大羽 圭子
大羽 圭子
ちがーーーう!


今度こそはと意気込んで、
居眠り中の阿部くんの夢に入り込んでみたりした。
大羽 圭子
大羽 圭子
ずっと、好きでした!
阿部 大吾
阿部 大吾
ありがとう!
でも、俺これから
トライアスロンした後に
大食い大会に出場
しなきゃいけないんだ……
大羽 圭子
大羽 圭子
えっと……がんばれ?
大羽 圭子
大羽 圭子
(何これ、どういう夢?)
その後、夢の中の阿部くんはトライアスロン中に巨大なチワワに追いかけられ、大食い大会では予選敗退した。

 連敗中の私は、げっそりしながら鷹宮悠馬に結果を報告する。
大羽 圭子
大羽 圭子
でさ、夢から覚めたら案の定
夢の内容を綺麗さっぱり
忘れちゃってたんだよね
大羽 圭子
大羽 圭子
阿部くんらしいけど
もう完敗だよ〜
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
ふ〜ん、……そっか
まあ頑張れよ
なんだか妙にニヤついていて、嬉しそうだ。
もしかしてこの男、私の失敗を楽しんでいるのだろうか。
大羽 圭子
大羽 圭子
人の不幸を喜ぶなんて
悪趣味なやつ……
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
いや、喜んでないって!
ただ……
大羽 圭子
大羽 圭子
ただ?
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
(なんかほっとしたなって……あれ?
でも、なんでほっとしたんだ?)
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
……やっぱなんでもねー
大羽 圭子
大羽 圭子

どこか居心地が悪そうにふいっと目をそらされて、
私は首を傾げる。

大羽 圭子
大羽 圭子
変なの

そんな時、マリア様がふわりと近くへ飛んできた。

マリア様
マリア様
ごめんね
あんまり力になれなくて
大ちゃん本当に鈍感だから
マリア様
マリア様
だけど、最終手段として
確実な方法があるの
マリア様
マリア様
でも方法が方法なだけに
ちょっとおすすめは
できないんだけど……

マリア様はごにょごにょと口ごもった。
もしかして、危ない方法なのだろうか。

でも、未練を断ち切るためにはどんなことだって
試すに越したことはない。

大羽 圭子
大羽 圭子
私、なんでもやるつもりです!
だから教えてください!
マリア様
マリア様
……わかったわ
それがね、……で、……するって
方法なんだけど……
大羽 圭子
大羽 圭子
ええ!?

私はその内容に、思わず声をあげてしまった。


(死後14日経過/お迎えまであと35日)

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