数日後、私たちはシゲさんと駅で待ち合わせをした。
そう、なんと阿部くんとマリア様も
旅行について来てくれることになったのだ。
ちょうど3連休という休みの日に、
鷹宮悠馬が実家に帰省するから、と一泊二日の小旅行という名目で誘ったのだ。
ぬいぐるみの呪いの力がかなり強力なので、
それを掻き消すような相応の力が必要らしい。
だから、阿部くん(とマリア様)に声をかけたら
快くOKしてもらえた。
シゲさんは、マリア様の神力に感心している。
———そして、電車で2時間の移動中。
騙し討ちのような形で旅行に連れ出したこともあって、阿部くんにざっくりと経緯を説明することになった。
初めて自分の守護神に、
悪霊を弾き飛ばすほどの力があると知った阿部くんは、
目を輝かせながら受け入れてくれた。
阿部くんはそう言って屈託なく笑った。
それもこれも、
私が鷹宮悠馬の身体を借りて告白したことで、
幽霊のようなこの世の物ではない存在の信ぴょう性が
増したのだとか。
そう言うと、マリア様はふわっと笑った。
私からふわりと離れて、マリア様は鷹宮悠馬の元へと浮遊して行った。
マリア様が何かを耳打ちすると、
鷹宮悠馬は顔を真っ赤にして慌てふためいた。
にんまりとした笑顔で戻ってきたマリア様は、
どこか満足そうに言った。
私は頭にハテナマークを浮かべることしかできなかった。
(死後28日経過/お迎えまであと21日)


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。