第20話

アイツの実家へ小旅行
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2026/09/07 09:00 更新

 数日後、私たちはシゲさんと駅で待ち合わせをした。

シゲさん
シゲさん
これで全員かい?
ワシ含めて人間は1、2、3人だね
阿部 大吾
阿部 大吾
はい!
今日はよろしくお願いしまーす!
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
うす
シゲさん
シゲさん
はいはい、よろしくね
あと霊体は2人かね?
大羽 圭子
大羽 圭子
はいそうです!
マリア様
マリア様
圭子ちゃん、もしかしてこの方……
私たちのこと見えてるの?
シゲさん
シゲさん
舐めてもらっちゃ困るよ
見えてはいないが、
声はしっかり聞こえるさね
マリア様
マリア様
まあ、すごいわ!!

そう、なんと阿部くんとマリア様も
旅行について来てくれることになったのだ。

ちょうど3連休という休みの日に、
鷹宮悠馬が実家に帰省するから、と一泊二日の小旅行という名目で誘ったのだ。

ぬいぐるみの呪いの力がかなり強力なので、
それを掻き消すような相応の力が必要らしい。

だから、阿部くん(とマリア様)に声をかけたら
快くOKしてもらえた。
シゲさん
シゲさん
それにしてもすごい力だね……
目がみえなくても
眩しくて仕方がないよ

シゲさんは、マリア様の神力に感心している。

シゲさん
シゲさん
この力があれば、安心だ。
ぬいぐるみのある神社に行っても
呪いも相殺されるはずさね
大羽 圭子
大羽 圭子
そうだといいのですが……




———そして、電車で2時間の移動中。
 

 騙し討ちのような形で旅行に連れ出したこともあって、阿部くんにざっくりと経緯を説明することになった。

鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
……ってことなんだ。
なんか嘘ついて旅行
誘ったみたいで悪かった……
阿部 大吾
阿部 大吾
待って……俺って
ていうか真理亜の力って
そんなにすごいの!?

初めて自分の守護神に、
悪霊を弾き飛ばすほどの力があると知った阿部くんは、
目を輝かせながら受け入れてくれた。
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
ああ、ホントお前が親友でよかったよ……
それ以外でもお前には
いろいろ助けられてるんだ
阿部 大吾
阿部 大吾
水臭いこと言うなよ
俺たち親友だろ?

阿部くんはそう言って屈託なく笑った。

それもこれも、
私が鷹宮悠馬の身体を借りて告白したことで、
幽霊のようなこの世の物ではない存在の信ぴょう性が
増したのだとか。
マリア様
マリア様
大ちゃん楽しそう……。
圭子ちゃんのおかげで、
なんだか前より
大ちゃんを近くに感じるわ
大羽 圭子
大羽 圭子
……よかったです
マリア様
マリア様
告白して、その後はどう?
……もう未練はないの?
大羽 圭子
大羽 圭子
もうスッキリさっぱりです!
阿部くんのことを
好きになれて良かった
それ以上でもそれ以下でも
ありません

そう言うと、マリア様はふわっと笑った。

マリア様
マリア様
気持ちを伝えたから
圭子ちゃんは前に進めたのね
大羽 圭子
大羽 圭子
私ちょっと不安だったんです
あの時、マリア様の言葉を
伝えてよかったのかなって。
お節介だったんじゃないかって……
マリア様
マリア様
そんなことないわ
大羽 圭子
大羽 圭子
でも、この前もお節介だって
怒られちゃったんですよ
マリア様
マリア様
それって鷹宮くんに?
大羽 圭子
大羽 圭子
そうなんです
なんか最近ちょっと
避けられてる気もするし……
嫌われちゃったのかなって
マリア様
マリア様
それって、もしかして……
ちょっと待ってて!

私からふわりと離れて、マリア様は鷹宮悠馬の元へと浮遊して行った。

マリア様
マリア様
……って……なの?
鷹宮 悠馬
鷹宮 悠馬
はああ!?違っ!!

マリア様が何かを耳打ちすると、
鷹宮悠馬は顔を真っ赤にして慌てふためいた。

大羽 圭子
大羽 圭子
(何を言ったらああなるの……?)

にんまりとした笑顔で戻ってきたマリア様は、
どこか満足そうに言った。

マリア様
マリア様
嫌われているわけじゃなくて、
むしろその逆よ
大羽 圭子
大羽 圭子
え?
……どういう意味?

私は頭にハテナマークを浮かべることしかできなかった。


(死後28日経過/お迎えまであと21日)

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