第92話

91話
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2024/02/26 02:51

あなた
はぁー、うざ



















上層部
今なんと、?
あなた
てゆーかなんで私なんすか
あなた
優太とかもっと強い術師の方が適任でしょーよ
上層部
鳳条家の落ちこぼれが調子に乗って...
上層部
相伝を継ぐことも出来なかった癖にな、!
上層部
それにお前の両親共はどちらも死んでいるな
上層部
お前の父親はよく覚えている
上層部
弱いくせに態度は一丁前、だから死んだんだ




その上層部の言葉と共に

突然、過去1番最悪な日の出来事を思い出した































私がまだ小学生に上がる前のこと


その頃から私への態度は最悪で、唯一の心の拠り所は

私の母親だった





私の日課は、庭の掃除をしたり稽古をつけること


そして郵便が届くと私が玄関に取りに行って、

届け物を家の人達に渡すことも仕事のうちだった













そしてその日の朝、ある一通の手紙が届いた

その当時は難しい漢字で読めなかったけど

今なら分かる



「 呪術界上層部 」から送られてきた手紙だった





宛先は母親だったため届けに行く

その後はいつも通り、仕事をこなしていた



























夕方になり、日課である庭掃除をしている時のこと

なにやら急に、家が騒がしくなっていた



何事かと思い、庭から家の中を見てみる



















すると、首を吊る母親が目に入った


夕日に照らされ、廊下にはたくさんの家の者達がいて

よく顔が見えなかった







後々話を聞いたら、私が母親に渡した手紙には

任務の際に父親が死んだという報告だったらしい


それにショックを受けた母親は、いわゆる

後追い自殺をした





私を残して






























まだ小さかった私には

母親と父親が死んだ事実は受け入れ難い出来事だった




ひとり部屋で母親の形見である着物を見つめていた

その時、着物から一通の紙が落ちた






その手紙は私宛てだった

遺書と言っておくべきだろうか


その手紙に急いで手を伸ばし、手紙を読み始めた





「 先に逝ったことを許してください。

貴方の父親は私の人生において、大事な方でした。

家からの圧力に絶対に負けず、立派な呪術師になって

私が産んで良かったと思えるような子に

なってください。 」




















“ 立派な呪術師になって、産んで良かったと

思えるような子になって ”






この言葉は生きていく上で一生忘れないであろう




立派な呪術師になる、一生呪術師として生きていく

私はそう捉えて、母親から私への呪いとなった








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