美渚
じゃあ、臣くん玉ねぎ切ってくれない?
臣くん
え、お前がやれよ
美渚
私、玉ねぎ切るの苦手なんだよね
それに、臣くん料理上手いんでしょ?
臣くん
…当たり前
こんなん切れなくて何が俺より上手いだ
美渚
ちょ!その言い方はないでしょ!
玉ねぎは苦手なの!
もう、臣くんって本当いじわる…
美渚
じゃあ、私はマカロニ茹でるね
臣くん
おー
私達は、別々の作業を始めた。
臣くん
……
臣くんの方からは、玉ねぎを切る音だけが聞こえてくる。
へぇ、本当に上手いんだな。
私は、臣くんの心配はせずに、黙々とマカロニを茹でていた。
美渚
…あ、臣くん
私が臣くんの方を見ると、彼はなぜか向こうを向いていた。
臣くん
…何?
美渚
ちょっと布巾取ってくれない?
臣くん
自分で取れよ
美渚
無理!臣くんの方行ったら目痛くなるもん!
臣くん
…しょうがねーな
臣くんは、顔を下げたまま、私に布巾を手渡した。
美渚
ありがとう…って、どうしたの?
臣くん
何がだよ
美渚
いや、なんでずっと下向いてんの?
臣くん
包丁使ってんだから目離せないだろ
美渚
あー、そっか…って、え?
私が少し臣くんの顔を覗くと…臣くんの目から涙が出ていた。
臣くん
!見んなよ…!
美渚
あー…玉ねぎ、臣くんも苦手?
臣くん
苦手とかじゃねー…ただなんか目痛くなっただけ
美渚
いや、それは苦手でしょ
私は、笑いが込み上げてきた。
臣くん
何笑ってんだよ
美渚
いや、なんか可愛いなって
臣くん
!可愛くねーし!
臣くんが真っ赤な目で怒る。
こんな可愛い一面もあったとは…
美渚
あ、でも、切るのは上手いね
臣くん
上から目線で言うなよ
美渚
ふふ、バレたか(笑)
そんなこんなで、マカロニグラタンが出来上がった。
凜音さん
わぁ~!美味しそう!さすが美渚ちゃん!
臣くん
いや、俺も作ったんすけど
凜音さん
あ、そうだったそうだった(笑)
幸くん
…お二人さん、料理してるとき、やけに楽しそうだったけど、何かあったのかな?(笑)
美渚
え⁉いやいや!
幸くん
僕結構長い間見てたのに、二人とも全く気づかずに仲良くおしゃべりしてたからね~(笑)
凜音さん
おや?(笑)早速イチャイチャしてたのかな?(笑)
美渚
いや⁉違いますよ!
臣くん
そうっすよ違いますって!
大家さん
まあまあ、仲良くなれたんだし良かったんじゃないかな
さて、冷めないうちにいただこうよ
美渚
あれ、でも、如月先輩は…?
如月先輩
…ここにいる
美渚
!ご、ごめんなさい!いたんですね!
如月先輩
いや、今来たとこだが
臣くん
おい、怯えんな(小声)
大家さん
よし、全員揃ったし、食べよう
幸くん
せーの
全員
いただきます!
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第5話 仲良し
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