💗さとみside💗
会いたいと強請るころんに嫌気がさした
ころんの言葉の後に廊下で物音が聞こえる
ころんを睨んで扉を開けてもだれもいなかった
本当に居ないのか?
ギシギシと床が軋む音がしたんだ
たぶん音を出さないように移動したはず…
………俺がここまでしてもいいことなのか…?
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わかってるつもりだった
さとみさんは私が嫌い
それなら話は簡単で…
私もさとみさんを嫌いになればいい
それなら私は傷付かないで済む
それでいいはずなのに…
チクチクと胸が痛い…
そう言って笑う2人
私と同じクラスの中心人物
春草せりと春草なずな
あぁ…せめて辛い時間は学校だけにしてよ…
倒れてた私に声をかけた人
でも私だって笑顔なら自信がある
そう言って手を差し伸べてくれた
手を取って立ち上がると不意にぎゅっと抱きしめられる
ちがう、泣いたのは抱きしめる力が強いから
絶対に辛かったからじゃない
その人は優しく話を聞いてくれた
確かにいつもは学校だからかそこまで酷くなかった
さとみさんの知り合い…?
必死になって頼み込む
私は何をされてもいい
でも…さとみさんには言われたくない…
さとみさんに言われたら…
もっともっと嫌われてしまう…!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。