部活帰りだったけど早めに帰宅した日
いつもと違ったのはこのくらい
あと…お母さんから大切な話をされたこと…
最近携帯を気にしてることとか…
なんとなく分かってたこと…
お兄ちゃん…か…
お兄ちゃん…
アニメで見た知識しかない
ブラコン?ってやつで妹のことが大好きで…
もし…お兄ちゃんになるのなら…
優しくて…助けてくれるお兄ちゃんがいいな…
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車に揺られて数分、白基調の比較的新しい家に車を停めた
……思ってたよりも元の家と距離が近い…
優しそうな声と優しそうな顔
たぶんこれが"お父さん"
お父さんは2階に向かって声をかける
返事はなく、とりあえず上がらせて貰った
見た目と同じで白基調で過ごしやすそうなリビング
微笑みながら飲み物を出してくれた
たぶんお兄ちゃんを呼んできてくれてるはず…
この人がお兄ちゃん…?
無愛想で私のことが嫌いなのか一切目が合わない
仕方なくさとみさん?に着いていくと部屋に入ったあと、椅子に腰かけた
部屋のドアを閉めてカーペットに座る
私のお兄ちゃんになった人は理想とは違った
甘やかしてもくれないし
なんなら爽やかな感じでもない
お母さんの声に安心しながら1階に向かう
見た感じ高校生のさとみさん
一緒に寝る…?え…?
………一緒に寝たら優しくしてくれるかな…
私のこと妹だって認めてくれるかな…
モヤモヤが残る中、私は桜田あなたになった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!