💙ころんside💙
無意識に出てきた言葉
それでようやく自覚した
僕、あなたちゃんが好きなんだって
気付かないようにしてたのにな
何でこんなに怒るんだろう…
あなたちゃんがさとみくんのこと兄として見てないから
サッカーしてる時に見たあなたちゃんの顔
明らかに恋する女の子の眼だった
何度も向けられていたからわかる
見間違いであって欲しいと何度も願った
その頃から好きだったんだな…僕…w
脅したい訳じゃないのにな…
言葉が止まらずに溢れ出てくる
ハッキリしなよ
僕はただあなたちゃんに傷付いて欲しくないだけ…
何も言わず立ち去った
親友として今は離れた方がいい
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空き教室から出てきたお兄ちゃん
そう話しかけても何も言わなかった
ただただ下を向いて苦しそうな顔するだけ
放課後はお兄ちゃんに言われた通り玄関で待ってたら嫌でも話せる…!
そう思って居たのにお兄ちゃんから送られてきたLINEは…
「玄関で待たなくていいから帰れ」
楽しみにしてたのにな…
玄関で待ってたらどんな顔するのか怖くなってすぐ家に帰った
ひなちゃんにただいまも言う気力もなくベッドに座る
ゲームセンターでお兄ちゃんが取ってくれたぬいぐるみを抱きしめる
……見ちゃダメなやつだったな…
お兄ちゃんの顔色を伺っていたから悪いのかな…
口端に着いてた赤いリップ…
……裏切られた気分になるのはどうして…?
苦しくてぬいぐるみをぎゅっと抱きしめる
みゃあ〜と扉の方から鳴って顔を向けるとひなちゃんが部屋に入ってきた
そう声をかけると私の隣に寝っ転がって目を細めた
こんなの話したって何も変わらない
そんなの分かってる
泣いているとひなちゃんがスリスリと顔を擦り付けてきた
撫でてあげるとゴロゴロと喉を鳴らしてくれた
お兄ちゃんに似てるとか嘘だったんだね…
お兄ちゃん…こんなに優しくしてくれないよ…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!