誰も通らない廊下で1人踞る
どうしてそんな顔するの…?
上手く笑えてるはずなのに…
るぅとくんは私の幼なじみで大のサッカー好き
足を骨折した癖に部活に行くもんだから欠席しろって言われたらしい
そう、いつもされること
もう、日常の1部になってる
るぅとくんは悪くないのに…
大丈夫
大丈夫って思わないといけないのに…
大丈夫なんかじゃ……
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💗さとみside💗
そんなの俺が聞きたいくらいだ
確かに距離は近付いたと思う
アイツの敬語も取れたし、俺も話しかけやすくなった
なのに…まだ心の距離を感じる…
あなたは俺に秘密を隠してる気がする…
あくまで…気がするだけだけど…
そう聞くと胸がドキッと鳴る
そう言い残してころんは校舎を出ていく
なんでころんとあなたが?
変な感情…
なんだこれ…モヤモヤする…
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水をかけられて重くなった制服
ゴミ箱に捨てられた靴にカバン
私にだけ配られないプリント類
いつもは気にしないのに今日はどうにかしなきゃいけない…
ころんさんが学校まで迎えに来てくれる…
結局、上からカーディガンを羽織ることにした
スカートとかは掃除で汚れたことにすればいい
笑顔で私と別れるるぅとくん
いつも無理して明るくしてるのくらい分かってる
でも私は私のことを可哀想な子とは思わない
……思えないもん…
優しいお兄ちゃんが居るからそんなことないもん…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!