第7話

フィリックス×年上日本人彼女①
5,141
2021/03/03 05:17
あなた
行ってくるね
フィリックス
今日は髪巻いたんだ
あなた
ん、ちょっと時間あったから
フィリックス
かわいい〜
あなた
んふふ〜

リクスもお仕事頑張って。

HUG!!
フィリックス
ハグ〜〜いってらっしゃい
玄関の前でいつもと同じ行ってらっしゃいのハグ


あなたは
7:30出勤だからいつも寝ぼけながら送り出して、
その後ベットに戻るのが僕のモーニングルーティン。


毎日幸せ。


あなたは僕に幸せをくれた。




でも、あなたが僕に最初にくれたのは幸せじゃなかった。















練習生として単身韓国に渡ってすぐ、チャニヒョンと出会った。
同じくAustralia出身のヒョンは、
僕の良き理解者で、
当時から練習生をまとめるリーダー的存在だった。


でも今の物腰柔らかなヒョンとは違って、
デビューに貪欲で、こだわりと威厳を持っていた
もちろん優しかったけど。



そんなヒョンを怖がったり、近寄り難く思っている人もいた中で、チャニヒョンと気さくに話していた人。それがあなただった。



あなた
チャニ〜

最近どう?
バンチャン
おつかれ、元気だよあなたは?
あなた
ん〜忙しいけどまぁ元気

また全身真っ黒〜
バンチャン
服黒しかもってないからこうなっちゃうんだよね
あなた
買いなよ!

怖がられてるよㅎㅎㅎ
バンチャン
え、嘘?!
あなた
ってか私白Tあげたじゃん
バンチャン
日本語でなんて書いてあるかわかんないから怖くて外で着られないんだけど?

絶対恥ずかしいこと書いてあるでしょ
あなた
え〜だから、書いてあるのは格言だって〜ㅋㅋ
バンチャン
嘘だ〜
フィリックス
ヒョン...
バンチャン
あ、あなただよ。俺と同い年。
あなた
んふふ〜

あなたの名字あなたの下の名前です。
フィリックス
こんにちは、僕は、フィリックスです。
あなた
わぁ声かっこいい...
バンチャン
Aussiesなんだ
あなた
お、わたしも外国人!
フィリックス
どこの国出身ですか?
あなた
アイム フロム ジャパン〜
バンチャン
あなたの英語レア!笑
あなた
やー、フィリックスにバカだと思われるじゃん
バンチャン
ㅋㅋㅋ
あなた
チャニがうっとおしくなったら声かけてね
フィリックス
はいㅎㅎ
バンチャン
や〜うっとおしくなんないから!ㅋㅋ
あなた
じゃあね、今度はご飯食べよ
気さくなヌナ、そんな印象だった。

すれ違う人すれ違う人に声を掛けられていて、

友達のたくさんいるタイプ。








でも、チャニヒョンと話している彼女は一際愛嬌があって、悪態をつく口とは裏腹に、とても楽しそうに見えた。
フィリックス
ねぇヒョン、どうやってあなたと仲良くなったの?
バンチャン
うん?

えっと、同じ年だし、
あなたが入ってきたときは韓国語も全くわかんなかったから、

韓国語教えたり、ご飯食べたりしてたんだよ。


ほんと、今のフィリックスと同じ様なかんじで。


元々内向的な性格じゃなかったし、
そのうち自然に仲良くなった
フィリックス
そう?
バンチャン
あなたと仲良くなるなんてすぐだよ〜

人懐っこいから
フィリックス
ほんと?

僕も日本語習いたい
気さくで笑顔の素敵なヌナに、正直惹かれた。



だから、次事務所で会ったら絶対声をかけようと、心に決めた。



でも、実際の僕は案の定小心者だった。
フィリックス
(あ、ヌナだ...!)
練習室から出てきたヌナ。


人懐っこいあなたヌナは他の練習生とも当然親しげにしていると思っていたのに、
ヌナは大勢の練習生が出てきたあとに、ひとりで出てきた。




結われた長い黒髪をほどくヌナは、

この前見た可愛らしいひととは別人に見えた。





話しかけられずに廊下につったっている僕をみつけたヌナは、

少し会釈をしただけで行ってしまった。













今日は気分が乗らないのか、

それとも僕には興味がないのか。






その答えはすぐにわかった。





エレベーターから出てきたチャニヒョンを見つけると、


それまできつく結ばれた口が開かれて、

パッと笑顔に変わった。
フィリックス
そっか、





僕が好きになったのは、

ヒョンが好きなあなたなんだ...

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