第10話

ヒョンジン×ネガティブ彼女①
4,628
2021/05/03 14:24
正直僕の"彼女"になりたい女の子はたくさんいる。




けど僕が彼女って呼ぶのはあなただけ。




でもいつものように今日も君は言う
あなた
そろそろ飽きちゃった?


私のこと彼女って呼ぶの
ヒョンジン
飽きるわけなくない?
あなた
そっか、よかった
ヒョンジン
ねぇ、まだ僕たち付き合って1ヶ月ですよ?
あなた
だって、ヒョンジンの周りには可愛い子なんて毎日寄ってくるでしょ?
ヒョンジン
はぁーーー
あなた
ほら今めんどくさいって思った
ヒョンジン
違う!嫉妬してくれてたのが嬉しいの!!!
あなた
.....嘘っ!
ヒョンジン
嘘じゃなぁーいーー
ヒョンジン
もうマイナスなことしか言わないお口はチャック
あなた
...ごめん
付き合ってからはまだ1ヶ月だけど、
あなたと出会ったのはもっと前の話。







あなたは元々僕と同じマンションに住んでた。


その日急にアイスが食べたくなって、
深夜に短パンにTシャツでコンビニに出かけた。


引っ越したてにはよくあることで、

オートロックになれていなかった俺は案の定部屋着同然の姿で締め出されてしまった。



ヒョンジン
わ、やらかしたヒョンに電話...
ピピッ🔌🔋0%
ヒョンジン
嘘だろタイミング悪すぎ
ヒョンジン
しまった.....深夜で人は歩いてないしマンションの人も出てこない....よね


ここ撮られたりしたら恥ずか死ぬんだけど。


うわこれもしかして朝までここいないといけないコース?しんどいしんどい
ヒョンジン
..........
ヒョンジン
いいやもうアイス食べて考えよ。
仕方なく植え込みに隠れるようにしてしゃがんでアイスを食べ始めた。
あなた
あの....
ヒョンジン
はいっ!
あなた
住人の方、ですよね。12階の。
ヒョンジン
そうです!そうです!

今俺、部屋に鍵忘れちゃって!
あなた
ㅎㅎㅎだと思って。どうぞ、今開けるので。
ヒョンジン
!!!ありがとうございます!
神だった。夜中に助けてくれる女神様。


暗かったし、マスクと長い前髪で顔はよく見えなかったけど、優しい微笑みに、惹かれた。



ほんとに、僕は単純な奴だ。
ヒョンジン
あの、ほんとにありがとうございます。

後日御礼させてください!
あなた
いやいや、全然。



実は私も越してきてすぐ締め出されちゃって。

だから気持ち分かりますㅎㅎ
ヒョンジン
あ、本当ですか?ㅋㅋ
あなた
はい笑
ヒョンジン
あれ、同じ階?
あなた
そうですよㅎㅎじゃあ私こっちなので。
ヒョンジン
あ、はい今度!
そのときは特になにも考えてなかったけど家に帰って、


気になったことがあった。








『なんであんな夜中に一人で帰ってきたのか』





知りたくても、同じ階に住んでる歳の近い女の子、という以外の情報を持ってなくて、
どんな子なのか想像もつかないし、




ヒョンジン
あぁ〜どうしたらまた会えるかな
スンミンだったらなんかいい方法思いつくかな、

と思って相談してみた。
ヒョンジン
...ってことがあったんだけど、どうしたらまた会えると思う?
スンミン
同じマンションの同じ階に住んでるんなら部屋は?
ヒョンジン
部屋はわかんない
スンミン
ん〜、普通に生活してたらいつか会えるでしょ。
ヒョンジン
だから、僕はすぐに会いたいの!
スンミン
相談する人の態度じゃないんだけど?😒



んん〜わかんないけど同じ時間に帰ってくるならまた深夜に同じところにいたら会えるんじゃない?
ヒョンジン
...天才。
そうじゃん、じゃあお礼買って、ラウンジにいればいいんだ!








なにが好きかわからなかったから、
女の子が好きそうなマカロンを買って、
この前と同じ深夜1時過ぎ、
マンションのラウンジに座って待った。







スンミンの読みは当たってて、
やっぱり彼女は帰ってきた。
あなた
...え。
ヒョンジン
あの、この前は、ありがとうございました。
あなた
...わざわざ私のために待ってくださったんですか?
ヒョンジン
あの、そうなんですけど、でも気にしないでください!
僕が好きでやったことなので。


あとこれ、この前のお礼です。
あなた
いえ、受け取れないです....
ヒョンジン
あ....怖いですよね、一回しか話したことないのに...
あなた
!...いえその、申し訳ないので
ヒョンジン
じゃあ、甘いものお好きだったらぜひ!
あなた
じゃあ...いただきます。
グゥ.....


お菓子を渡したタイミングで、

タイミング悪くお腹がなった。

めちゃくちゃ恥ずかしい。
あなた
ㅎㅎㅎㅎㅎ


お腹すいてるんですか?
ヒョンジン
いやあの、、
ヒョンジン
.....少しだけ
あなた
じゃあ、頂いておいて偉そうですが、一緒に食べませんか?


私、あんまり帰りたくなくて。
ヒョンジン
!...いいんですか?
2人でラウンジのソファに座って
マカロンをかじる。
ヒョンジン
....なんで帰りたくないのか、聞いてもいいですか?
あなた
あの、今両親と暮らしてるんですけど、

産みの母は5年前に他界していて、
今の母は二人目の母なんです。
それで、私のことが気に入らないみたいで、
新しい家庭を築きたい父も、私のことを荷物に思ってるんです。


だから、私は居酒屋で働いて、終電ギリギリで帰ってくるんです。
それでも帰りたくなくて、ぶらぶら歩いてくるとこんな時間に。




あぁなんか暗くてごめんなさいㅎㅎ
ほんとによくある話なんですけどㅎㅎ
ヒョンジン
....じゃあ、うち来ます?
あなた
え?
ヒョンジン
あ、いや、変な意味じゃなくて!


居づらいな、と思ったときにうちに来たらどうかなって。
あなた
そんな、ご迷惑かけられないです。
ヒョンジン
迷惑じゃないです!

寧ろ俺が来てほしいっていうか
しまった....ひかれたかな
あなた
ㅎㅎㅎㅎㅎ

そんなこと言ったら誤解されちゃいますよ
誤解じゃないんだけどなぁ...
ヒョンジン
でもほんとに、迷惑じゃないから。
あなた
....ありがとうございます。



でも、あなたは来なかった。

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