第5話

リノ×猫ヌナ彼女
5,994
2021/01/25 14:54
僕は猫が好きだ。



しなやかで、高潔で、人に媚びない。

なにより可愛らしい。




でも猫みたいな人間って付き合いづらいよね。

気まぐれで、気分屋で、何するかわからない。




みんな僕を猫みたいっていうから、

多分みんなも僕のことをそう思ってるんでしょ?





でも、僕よりもっとタチの悪い猫みたいな子を

僕は知ってる。











あなた
なんだリノ、来てたんなら起こしてよ
リノ
は?


昨日の夜来たとき僕がインターフォンおしたら

あなたオートロック外したでしょ
あなた
え?ほんと?


あ〜、昨日飲んでたから記憶が曖昧....頭痛い

昨日マンションに来てたのが僕じゃなかったら
どうしたんだ.....








あなた彼女は多分前世猫だった。


今だって一人暮らしの家に置くには大きすぎるソファの端っこに薄っぺらいTシャツの中で体育座りをして縮こまっている姿は、まるっきり猫だ。


伸ばしている、というより切りに行っていない雰囲気なのに、背中まで伸びるクセ毛はなぜかツヤがある。







インスタント食品ばかりが並べられたキッチンから柚子茶を見つけ出したので、
あったかい柚子茶を持ってあなたヌナの横に座る。
あなた
んふ〜ゆずの香り〜
リノ
飲みな〜
あなた
あちゃっ
リノ
熱いよ。
あなた
遅いよ〜〜〜もう舌火傷した😝
そう言うとあなたヌナは隣に座る僕の膝に頭を乗せてくる。
あなた
相変わらず全く気持ちよくないね笑


硬くて頭が痛い笑笑


顔だけじゃなくて足まで石像になっちゃった?笑
リノ
ん〜重い頭どけて🙃🙃🙃
あなた
ンフフフフいやだ〜〜笑
リノ
あれ、これどうしたの?
膝の上で気持ち良さそうに目を閉じているあなたヌナをの髪から覗いた耳を見ると、

両耳に1つずつあったはずのピアスホールが、
左耳だけ2つになっている。

もう綺麗に安定している2つ目のピアスホールを指でなぞる。
あなた
アヒャヒャくすぐったい笑
あなた
ちょっと待ってね。


あれどこおいたかな....そうベットのとこおいてきた。
寝室から戻って来たあなたヌナの手にあったのは、小さな黒い箱。
あなた
はい、開けて開けて。
リノ
....ピアス?
あなた
そう〜可愛いでしょ、これ。
リノ
なんで3つも穴必要なの、2つで十分じゃん。
あなた
あれ、怒ってる?
リノ
なんでか聞いてるんだけど?🙃
あなた
あのさ、この前私リノから誕生日にもらったピアスなくしちゃったでしょ?
それで、めっちゃ反省したの。

それでどうしたらなくならないか考えたんだけど、
ずっとつけてればなくらないかな〜と思って。
リノ
なんで4つじゃないの?
あなた
え、片方はリノのだから。

リノもピアスホール3個でしょ?

だからニコイチの3個目〜。
リノ
ハハハハハッ🤣

ややこし笑
あなた
でも、3個目だったら匂わせにもなんないじゃん?


私ほとんど家から出ないし。
あなた
ねぇねぇ、楽しみにして待ってたんだから早く付けさせて。


こっちおいで
リノ
はぁほんとマイペース....
あなた
ちょっと待ってね.......



ぶきっちょだから....



...んよっしできた!
やっぱり可愛い〜
リノ
はい、次こっち向いて
あなた
はーいお願いしまーす。
リノ
........はい、できたよ。
あなた
どう?かわいい?


ちょっと鏡見てくる







なんか、指輪の交換みたい。






自分勝手によくわかんない理由付けられて、
勝手にピアス開けてたことにイラついたはずなのに、

自慢げに髪を左耳にかけるあなたヌナがやっぱりかわいくて、

柄にもないことしてもいい気分になる。

僕も大概気まぐれだから。
あなた
さすが私のセンス〜
あなた
!?
リノ
ハハハハハハッ

びっくりしてる笑
あなた
だってレアすぎる!、


リップ塗って来ればよかった
リノ
それより柚子茶飲んで酒抜いたら?笑
あなた
んふふ酒臭い?ごめん笑

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