第2話

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お葬式って、亡くなった後に1度だけある、最後の晴れ舞台だと思う。
今日の晴れ舞台の主役は、私の大事な大事な親友、咲羅さくら あうり。



彼女が生前よく似合うと誉めてくれた、黒のパンプス。
最後に見てほしくて、履いていった。


全然着てないほぼ新品の制服に袖を通して、鏡の前で1回転。
今日くらいは、ちゃんとしていこう。
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
これでよし、いってきます


最寄り駅から歩いて10分程の所にお葬式場はあった。


あうりの両親に挨拶をして、並べられているパイプ椅子に座って葬式が始まるのを待った。


周りを見てみると知らない人ばかり。
学校にはあまり行っていないから分からないけど、同年代らしき人は見当たらない。
ちょっと意外だな。



のんびりと待っていると葬式は始まった。



棺に白い花を1輪のせて、手を合わせる。
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
またね、あうり
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
私がおばあさんになったら天国で仲良くしてほしいな
私はもう一度、またね、と棺桶の中の彼女に告げて、私はそっと席に戻った。
あうりの母
四葉ちゃん、来てくれてありがとう
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
いいえ、私もお別れをしたかったので
あうりの母
そっか、良ければこれ、受け取ってもらえるかしら?
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
これ、手紙........?
あうりの母
そう、あうりから
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
ありがとうございます
あうりの母
いいえ、今まで仲良くしてくれてありがとうね
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
こちらこそ、ありがとうございました
あうりの母から受け取った手紙。

薄い桃色の封筒には綺麗な字で『四葉へ』と書かれていた。

この文字にどこか懐かしさを感じながら、その手紙が折れないように鞄にしまった。