第7話

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蔵本クラモト 佐紀サキ
四葉、来たよ!
遂にこの時。

放課後、皆が屋上に集まった。

部活動が終わった後の空はもう暗く、日が沈んでいる。
これからする事にはぴったりだ。
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
来てくれてありがとう
そう言って自然な動きでドアの鍵を閉める。

ガチャっと小さな音をたてて、鍵が閉まった。
クラスメート
四葉ちゃん、どうしたの?
クラスメート
しょうもない事だったら許さねぇからな、今日塾なんだよ
塾か、そんなの気にしなくていいんだよ?

もう一生塾に行くことは無い。
勉強することも無い。

そう思うと、私感謝されてもいいんじゃない?
いつも皆勉強したくないって言ってるじゃない。
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
佐紀、ちょっと私の近くに来てくれる?
蔵本クラモト 佐紀サキ
うん、分かった
あーあ、馬鹿正直に来ちゃったよ。

その行動、一生悔やむことになるよ。
あ、もう一生を終えることになるからいいのか。

そう思いながらポケットからナイフを取り出す。
折り畳み式の、小さなナイフ。
でも小さくても切れ味は抜群、人を切るなんて容易いことだ。
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
佐紀、今までありがとう
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
ずっと、大嫌いだったよ
蔵本クラモト 佐紀サキ
え?
ブスッ。


鈍い音をたてて、ナイフが佐紀の左胸に突き刺さる。
左胸の辺りにあるものといえば?

そう、心臓。私は佐紀の心臓を刺した。

ドクドク、血が流れる。
綺麗な綺麗な赤色の血が滴り落ちた。


辺りから悲鳴が上がる。
そうそう、もっと恐怖に染まって?
クラスメート
お前、何してんだよ!!
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
うるさい
次は反抗した奴を刺した。

こんどはお腹。何度も何度も。確実に仕留めなきゃ。
クラスメート
なんで開かないの!?
クラスメート
早く開けろ!!
クラスメート
開かないんだって!!!
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
ドアを開けようとしても無駄だよ?
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
鍵ね、ちょっと細工しちゃった
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
私の持ってる鍵がないと開かないよ
1番私に近い人から、左胸を刺していく。

お腹を刺すのはちょっと面倒くさくて辞めた。

1回で、確実に。


上がる悲鳴もどんどん少なくなっていく。
上げる人が少なくなっていくから。

屋上がどんどん赤い液体で染まっていく。
もっと、もっと。その顔を恐怖で歪ませて?
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
あれ、貴方で最後?
周りにあるのはもう人形死体ばかり。

息をしているのは目の前にいる子だけ。結構あっという間だったな。
クラスメート
や、辞めて......!!
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
...辞めて?
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
あうりもそう思った筈でしょ?でも貴方達は虐めるのを辞めなかった、むしろ楽しんでた
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
それなのに辞めて?馬鹿げてる
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
じゃあ、バイバイ
これで、最後。

最後の最後まで許しを請う諦めの悪い奴を刺した。


「ごめんなさい」

そんな声が聞こえたけど、気のせいということにしておこう。
気のせいじゃなくても、もう後戻りは出来ないし。
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
よし、終わった
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
あうり、私復讐出来たよ
未瀬ミセ 四葉ヨツハ
じゃあ、そっち行くからね
私の願いは、もう一度あうりと会うこと。

復讐をしたら私も死ぬと決めていた。



私は持っていたナイフを投げて、屋上の柵に手をかける。
身を乗り出して、あと一歩進めば落ちるという所に立った。


風の音が耳元でなる。
ここまで来て、もう恐怖は無かった。

今の私が感じているのはあうりに会えるという喜びと復讐を成功させたという達成感のみ。
他には何も感じていなかった。


静かに目を閉じて、呼吸を整えて。
私は一歩前へ踏み出した。














-私と彼女の復習劇 END-