(Raul)
桜の舞う頃、電車に乗って高校に向かう。
つい先週に入学式を終えたばかりで、俺はいわゆる新入生ってやつ。笑
駅は学校に向かう生徒でごった返していて、学校に来る頃には制服が少し乱れてしまった。
明日もこの人混みかき分けて学校来なくちゃいけないのかと思うと憂鬱だ。
ケバいメイクをした担任が教室を去り、クラスは生徒だけになって騒がしくなる。
うるさいなぁと思って椅子に座ればさっきまで5人で騒いでたグループの女子が近づいてきた。
これも青春かな?笑
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学校が終わり、近くの公園の桜並木を歩いてたら同じ制服の小柄な人が立っていた。
くるりと振り返って俺の方を見た顔にはどこか見覚えがあった。名前は…佐久間?
そうだ…
思い出した。俺が小学生の時、ダンスの大会で唯一負けた相手だ。彼のダンスを見て小学生ながらに衝撃を受けた事、今でも覚えてる。
それは相手も同じのようで、
なんか、再会出来た事にちょっと感動(笑)
ニコッと笑った顔はあの時と全く変わってない。
爽やかな笑顔で通り過ぎて行った佐久間くん。
その姿はハラハラと舞う桜によく似合っていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。