『はる……か?』
「……」
「なに?」
『なんで、ないて……』
え?
わたし泣いてる?
やばい
止まらない
でも……
「何その顔笑笑」
「ちょっと目にゴミが入っただけ」
なんて下手な嘘なんだろう
『うそだろ?』
『遥はそんなことで泣かない』
「……」
「うそじゃ……」
言葉が発せない
涙が止まらない。
「ごめん私帰る」
そう言い残して
その場からにげた
そしたら双司が叫んだ
『遥!』
『今日の夜7時!星月公園で待ってるからな!!!!』
『絶対来いよ!!』
どうして
どうして
そこまで私にかまうの?
行きたくなかった。
でも
もう辛い思いはしたくないから
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。