「 瑞希の様子がおかしい 」
なんていう連絡が類から来たのはそれから
数日後のことだった。
類曰く、元気が無いんだそう
目元の隈と少し傾いたサイドテール
類から送られてきた( 隠し撮り )写真を見ての感想は
そんな感じ。
あれ以降瑞希はLINEの返信が遅くなったし
あんまり会ってくれなくなった
………それがなんだか不安だった
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ざっ、ざっ、と砂利を踏みしめながら青空の下を歩いた
前に見えてきた瑞希の家はなんだか薄暗く感じた
ぴーんぽーん、と間延びしたチャイムを鳴らすと
少しして、ぱたぱたと軽い足音が聞こえてきた
そしてがちゃ、と扉が開く
扉を開けた瑞希の目元には濃い隈
そして下ろされた髪
明らかに様子がおかしくて、
と立て続けに聞いてみれば、
瑞希は何か言いたげに微笑んだ。
そして、
と、眉を下げた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。