「遥希くん?」
大学の履修科目について 聞きたいことがあり、遥希くんの部屋を訪れた私。
2回ほどノックをしたものの、返事はない。
「…入るよー?」
各部屋に鍵はかかるようになっているものの、そのとき鍵はかかっておらず 簡単に入ることができた。
「遥希くん?あのさ…」
大学でもらった資料を腕に抱え、部屋に入ると、ベッドで眠っている彼の姿が見えた。
…寝顔、ちょっと幼く見えるな。
そんなことを考えながら 近づき、ベッドの縁に腰掛ける。
昔はよく 遥希くんの部屋に侑斗と2人で遊びに行ったっけ。
懐かしい思い出に浸りながら、寝顔を見つめていると、突然腕を引かれた。
「…ダメだろ。男の部屋にそんな格好で来たら」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。