第15話

速報
96
2022/10/05 13:57
ラルロ
ラルロ
っジュリ! 青い髪で人魚のアクアを見なかったか? 家に帰ってきてないらしいんだ!
先生が必死に聞く。 僕は頭が真っ白になり、あのときの記憶がフラッシュバックする
肩の力がゆっくり無くなっていく
ジュリ
ジュリ
あまりの出来事に金魚のように口をパクパクと動かしてしまう
また、始まってしまうのか?
孤独さん
孤独さん
帰りを待って正解だったね♪
教祖
教祖
えぇ、そうね
手首の痛みと話し声で目が覚めた
アクア
アクア
だ、誰?!
目の前には大人二人。名前も知らない、何も知らない二人組。
死神さん
死神さん
軽かった…
後ろから声がした、振り替えると大男がいる。 思わず悲鳴をあげそうになった
アクア
アクア
ひっ…
孤独さん
孤独さん
怖がらないで。
咄嗟に口を塞がれる。 目がだんだんと潤んだ。
教祖
教祖
やめてあげなさいよ、孤独さん。
黒髪ストレートで、癖ひとつもない髪の毛が私の目に写った
綺麗。とっても
教祖
教祖
私からこの人達を紹介するわね。 この緑髪ロン毛が「孤独さん」この大男が「死神さん」、そして私が「教祖」よ。シスターとも呼んで
希望が見えた。 この人なら、この人なら救って貰えるかもしれない。口元が緩んだ。
それと同時に肩にあった重荷が降りた気もした
アクア
アクア
わか、り、ました。
途切れ途切れだが返答ができた。また、口枷が取れたようにも思った。 さっきよりかは口が重くない
死神さん
死神さん
(流石だな。引き込みかたが上手い。)
孤独さん
孤独さん
(希望持たすなんて鬼畜だなぁ…)
教祖さまはとてもニコニコしている。
死神さんと孤独さんは何故か苦笑いをする。
なんでだろう? それだけが頭を埋め尽くす
教祖
教祖
あ! そういえば…
あれ? 少しわざとらしい言い方で話題を持ち込まれた?
教祖
教祖
私の知り合いに調べてもらったんだけどね、貴方今、恋する人魚姫状態なんですって?
アクア
アクア
え。
「なんで」と言おうとした。言葉が切れてしまい、出した言葉を引っ込めなくなった
教祖
教祖
でも残念。貴方が恋したのは女たらしの王子様。
明らかにこの言い方はわざとだ、どんどん追い詰められる感覚がした。袋のネズミだ
アクア
アクア
ちが…レイ君はそんな…
教祖
教祖
あら?そうなの。
頬にゆっくり両手が伸びる
スリスリと触られ、少しくすぐったい。
おまけの言葉が重すぎた
教祖
教祖
「貴方の恋は終わったの。」
さっきとは真逆に、冷たく、冷めた目で睨み付けられた
飲み込みたくなかった現実が無理矢理喉に入り込んでいく
わかってた、ほんとはぜんぶ。
ぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜーんぶ。 終わっちゃったってことに。
ピントがだんだんぼやけていく。
唐突に発せられる言葉が耳を貫いた
教祖
教祖
恋が叶う為には王子様を殺さなくちゃいけないのよ。 だからはい、これ
目の前には真っ黒な宝石のようなものがひとつ、ちょこんとあった
教祖
教祖
さぁ、飲んで。
私は言葉の通りに宝石を口に運んだ

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