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第1話

café sole___☼
1,100
2018/05/15 13:15
あの日___

私はただ街を歩いてた。色とりどりの街頭が光る、街並みを眺めながら。

「あー。 何が起きたんだろう。」
この日 私は2年付き合った彼氏に振られ ,
泣きながら歩いてたんだと思う。



下を向いちゃいけない、でも向いちゃう。
精一杯 涙をこらえて 上を向こうとした ,
「あれっ」

霞む視界の中に 一冊の本をみつけた。
「ほん...じす...?」
持ち主の名が書かれているようだ、
「café sole...? なんかのお店の名前かな?」


ずっと握りしめていた携帯で
その名を検索する。
「あった、ちょっとしたらすぐだ」


街を眺めながら 歩き 探していると
だんだんと裏道へ入っていき
あたたかな空気が流れ込んでいた。

目の前には 木造の看板に《café sole》と書かれた 小さな建物が建っていた。

「ここか...」



既に 私の 涙は乾いていた。

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