結局私はジヨンに付いてきてもらい、
カフェに向かっている。
私が今きたら、なんて顔するだろう。
ついたここは、懐かしいあの場所で。
横開きのドアの横には小さなポストがあった。
"ポストなんてあった?"
少し戸惑いを覚えながらも、
仕方ない,そう思った。
私は歩きだそうとした時、
ジヨンが指さしたのはポストで、
ポストの横には 何かメモが挟まれていた。
そのメモの字はなつかしく、愛しい字だった。
私はその字をみた瞬間、何故か、何故か
瞳から零れ落ちたものを 手で拭うのに精一杯になってしまった。
そこには住所と地図が書いてあった。
大して絵は上手くないはずなのに、 伝わるように書いてくれてるのが伝わってきて、 それがより一層私の涙を止めなかった。
ジヨンは、私に対して何も言わず、ただ私をみていてくれた。
あとから気付いたが、 ここの店はもう閉店していて、誰もいない状態だった。
私、ジョシュアくんに話さなきゃ。
いろんなこと、大事なこと。
次はジヨンには頼れないよ。
自分で、 自分で ちゃんと話すんだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。