第20話

もしかして、私……
21
2021/07/18 11:00
亮くんと久しぶりに再会してから、一週間がたった。
あの日の満たされた感じは何だったのか。
ずっと亮くんのことを考えている気がする……。
あの日の亮くんは、私を家まで送ってくれるという、
相変わらずな面を見せ、また1つわかったことがある。
どうして今まで会わなかったのか不思議なくらい、
意外と近くに住んでいたことがわかった。
そんなある日。








松下時音
(お買い物しゅ〜りょ〜!)
家への帰路を歩いていた。
テクテクテク
??
あはははっ
谷村亮
もう……。
そういうのやめてくださいよ……(苦笑)
??
いいじゃない〜!
あれ……亮くん!?
隣りにいるきれいな女の人、誰……?
松下時音
(そういえば……)
モ:「こいつ、彼女いるんだぜ〜」
お姉さんや妹さんではないことは確か。
亮くんが話してくれたお兄さんの他に、兄弟はいないはず
だから。
??
ね〜、あそこ行こーよー!
視察!!
と、女の人が亮くんの手を取る。
谷村亮
あ、ちょっと……!
ここ、街なかですから……!
??
え〜?
けちぃ〜(可愛くムスッ)
……わかった
谷村亮
ほんとにやめてくださいよ……?(苦笑)
ズキッ
……別に、亮くんに彼女がいてもおかしくないよね。
わかってるんだけど……。
だってこの間、「いないよ」って言ってたじゃん。
そのことに、勝手に安心したのは私だけど……。
??
今日、ハンバーグがいいなぁ〜
谷村亮
んっ、急ですね?
……まぁ、いいですよ
??
ほんと!?
やった〜✨
亮くんかっこいいよ!
谷村亮
……調子いいんだから(苦笑)
ん゛!?
まさかの同棲ですか……!?
ズキッ
びっくりしたまま立っていると、いつの間にかどこかに行ってしまった。
モヤモヤ
もしかして、私……。

















夜。
明日も朝は早いし、寝たいのに……。
松下時音
……眠れないよ(ボソッ)
昼間のことが頭から離れない。
あの人、誰なの……?
私は、亮くんのこと……。
隼人くんへの気持ちが嘘だとは思わない。
でも、きっと私は、心のどこかでずっと亮くんのことを……想っていたんだ。
好きだったんだ。
認めたくなかった。
初めての親友。大切な亮くん。
松下時音
私って、タイミング悪すぎ……
いつもいつも。
好きって気づいたときには……。
松下時音
亮くんは前を向いてるんだね……
遅すぎだよね。
どうしよう。
亮くんの幸せは……。
松下時音
あ、だめだ
人の為も大事だけど。
私の幸せも考えなきゃ。
松下時音
……ねぇ、亮くん。
私が好きって言ったら、もう親友じゃ
いられなくなる?
誰も答えない。
松下時音
でもさ、私、笑って応援できる気が
しないんだ……
親友、友達、恋人、好きな人。
これは両立できないからね……。
私がこの気持ちに気づいた今……もう亮くんとは親友に戻れないのかな。

プリ小説オーディオドラマ