ちょっと待って……?
私が聞いたのは
・お母さんに料理を注文したいと言う。
・亮くんの先輩が料理を作ってくれる。
・亮くんが先輩と、家に料理を届けに来る。
・そうしたら侵入成功!
だけなの!
これからどうしたら……。
親戚一同が集まっている大部屋。
これじゃ、私達逃げられないよね……?
大丈夫かな……。
亮くんを家に入れるためだけど✨
伊乃里くんが私の手を取る。
パシッ
今……!?
伊乃里くんの手を掴む亮くん。
亮くんの顔は真剣。
ただ、伊乃里くんは、最初は驚いていたものの余裕の笑みを浮かべた。
伊乃里くんが手を振りほどく。
トコトコ
私に近づき……かたに手を置く。
う……動けない……!
恐怖で固まる私の体。
いやだいやだいやだいやだいやだいやだ。
“助けてよ……!!”
うん、助けるよ。
泣くだけは終わるはずじゃん。
ただの伊乃里くんに都合良いい女じゃなくて……。
自分の本音に素直になりたい。
グイッ
私は押し倒された。
亮くんは私の親戚の男性に、捕まっていた。
ゾクッ
お祖父様!!どうして助けてくれないの?
捕まえるのは亮くんじゃないでしょ?
…………っ。
グイッ パシッ!!
どうして、お母さんが怒ってくれてるの……?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!