そして祭り当日
まず浴衣を変える。
私中学時代から体のサイズが変わってないから、
今までのでも全然着れるんだけど。
新しい浴衣。
奏耶に少しでも かわいい 新鮮 って
思ってもらうために。
そう、誘わなかったんだ。
奏耶はきっと、「毎年美空がみんな誘ってるから
今年もそうだろうな😜」とか思ってたんだろうけど。
始めて。2人で。
そんなに私と2人が嫌?
私の浴衣、何も思わない?
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綿菓子を食べ終わり、焼きそばを片手に歩く。
奏耶全然食べてないし、私も大食いに見えない
ように控えなきゃいけないんだけど...
りんご飴食べたいなんて言えねぇぇえええ
我慢、我慢...
女の子っぽい格好してる今日くらい我慢しろ美空!!
そして数分後。
りんご飴を2つ持って帰ってきた奏耶が言った。
きっと私がりんご飴食べたがってるって
わかってたんだ。
気遣ってくれたのかな。
私があまりにも必死で、変な顔になってたらしく、
奏耶がツボった。
「友達」でも。
こうやって笑いあえるなら、このままで
いいのかもしれない。
そう思った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。