とはいいつつ。
私が幕を開けたばかりでも、奏耶は幕を閉じた。
みたいだよね。
この前の発言からして。
すれ違ってる。
私は奏耶に近づきたいのに、奏耶は私から
離れたいって。
こうして悩んでるのも、私だけなんだろうな。
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それから。
3人で食べるご飯ももちろん美味しい。
けど。少し味気なくなった。
そうだといいな。
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私が1人でプリント全員分運んで、
黒板必死で消してるの、あなた見てましたよね?
目あいましたよね?
...まあいいや。
内心当たり前だろと思いつつも、
放課後私たちは2人で向かい合った。
...!
奏耶と一緒に...
しかもあいつ最近購買でパン買うタイプなのに
米粒って...
私の日誌を書く手が止まった。
ありえない
そんなのおかしいじゃん
そんなことのために奏耶の側にいないで。
私が奏耶と一緒にいたいのにっていう気持ち
堪えてたのが、そんな理由のためだったなんて。
私は嫌だ。
奏耶の側にいるのが、奏耶のこと好きな子じゃなきゃいけないなら
私が奏耶の側にいて、誰かが反対できる理由なんて
何一つない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!