目を覚ますと
ベッドがあるだけの小さな部屋にいた
『んっ…ここ……どこ………?』
ガチャガチャ
部屋の奥にあった小さな扉が開いた
?「あれ、起きてる!おはよっ」
『あ…なたは……』
その顔に見覚えがあった
『さっきの…』
?「!…覚えてくれてたんだ」
さっき商店街でぶつかった人だった
ニコッ
蓮「はじめまして、蓮っていいます。蓮くんって呼んで欲しいな」
『えっと…』
状況が飲み込めない
家の裏で私は…
『私はなんでここに…?ここはどこなの?』
蓮「!…ここはね僕のお屋敷」
『お屋敷……?』
蓮「うん、僕あなたちゃんのことが好きになっちゃったんよ」
『へ?』
蓮「だから僕の屋敷に連れてきたの」
『…え』
何言ってるのこの人
蓮「ここが今日からあなたちゃんの居場所だよ」
意味がわからない
『…帰して……ください…』
蓮「やだよ」
その瞳は冷たく見えた
『っ…第一、私あなたのこと知らないし、私のことだって知らないでしょ』
蓮「知ってるよ」
『え?』
蓮「あなたちゃん、7月8日生まれ蟹座、ひとりっ子、好きな食べ物はトマトでお花を見ることが好きだよね」
なんで
蓮「身長は156cmで体重は…」
『やめて!…あなた…なんなの……』
蓮「あなたじゃなくて、蓮くん」
『帰して…家に帰してよ!』
蓮「だめだよ、僕の側にいて」
ギュ
『やだっ』ドンッ
蓮「……」
ギィ
蓮「じゃ、またくるね」ニコッ
なんで
そんなに悲しそうな顔をするの
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。