第19話

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2020/09/27 09:03
街の入口に馬車を停めた







蓮「あなた、これ被っておいて」



渡されたのは白い大きな帽子が付いた布





蓮「顔は隠しておこう、何があるか分からんけん」







『うん』















街には大きな商店街が広がっていた






野菜や果物、服に小物










何もかも初めて見るものばかり










『うわぁ…すごい……』





蓮「僕たちのご飯の材料もここで買ってるんよ、野菜とか…」



野菜か…






そういえば屋敷の野菜はどれも新鮮だったけど、ここで買ってたんだ



純「あ!トマトめっちゃ安い!買ってこ!!!!」


蓮「純喜!パンも買っておいて!あとちょっとしか残ってなかったから」


純「はーい!」












街の人はみんな笑顔で楽しそう










こんな世界もあるんだ










蓮「あなた、あっちのお店見てみよ」




そこのお店には髪留めや指輪などキラキラとした小物が沢山並んでいた






『すごい…綺麗……あっ』







このイヤリング…お庭の蓮の花みたいな青色で綺麗……







蓮「それ、あなたに似合いそう」




『え?』





蓮「おじさん!これください」





『え!いいの…?』





蓮「うん、プレゼントさせて」






『ありがとう!…すっごい嬉しい……』





蓮くんからのプレゼント…






それだけでも嬉しい……








蓮「はい!…付けてみて?」









『どう、かな…?』






蓮「うん…似合ってる……すごく綺麗だよ」






『っ…ありがと』






街ってこんなに楽しいものなんですか














純「おーい!パンも買えたで〜!」

蓮「あ!ありがとう!そっち行く〜、ほらあなた行こ!」






『うん、あっ!』ドンッ




イヤリングの片方が落ちてしまった…




『えっと……あっ、』







おばあさんが拾ってくれた


「お嬢ちゃん、これ落としたよ」





『ありがとうございます!』





よかった傷ついてない




大切にしないと…









































「………あなたちゃん…かい?」





『…へ?』



今、あなたって言った……?








すると後ろから腕を掴まれた


蓮「あなた、行こう」



『えっ、でも…』

蓮「いいから!」







「ちょっ、ちょっと待っ」

蓮「すみません、急いでいるんです」











蓮くんにそのまま手を引かれ馬車に乗り込んだ





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