蓮「純喜、出して」
純「ああ」
『っ…蓮くんっ、あの人私の事知ってるのかも』
蓮「あなた」
『何か知ってるかもしれない、知り合いなのかも』
蓮「あなた!」
『っ…でも……』
蓮「危なすぎる、もしあなたを追ってる人だったらどうするん」
『でも、そんな悪い人には…』
蓮「お願い……もし、あなたに何かあったら僕は……」
『蓮くん………ごめん…』
私は馬鹿だ
また心配をかけてしまった
あの人は誰なのか
私は誰なのか
気になるけど、いい
蓮くんが居てくれたら、いい
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奨「3人ともおかえり〜どうだった?」
『うん、楽しかったよ、ほら見て!』
奨「お〜イヤリング可愛いね、蓮に?」
『うん』
奨「そっかそっか、たまには街に行くのもいいかもね」
蓮「いや、もう街には行かなくても大丈夫だよ、欲しいものあったら僕が代わりに買ってくるし、ね?」
『…うん』
大丈夫、この日常があれば
奨「…?そ、そっか、あ!パン買ってきてくれたんだ、それに野菜も!ありがとう〜」
純「おお!そういえばちょっとお腹空いてきた!」
大丈夫、だよね?
奨「もうこんな時間だもんね、あなた、ご飯作るの手伝ってくれる?」
『うん!……いや、ごめん…ちょっと疲れちゃったかも…部屋で休みたいな……』
なんだろう、疲れた
あの頭痛のせいもあるかもしれないけど
また少し不安が、心が、疲れた
蓮「大丈夫…?部屋着いてこうか?」
『ううん、大丈夫』
蓮「そっか……」
私の居場所はどこ?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。