私は気付いている。
自分が小説の世界の住人だということを。
そしてこの小説は学園モノの青春ラブコメだということを。
大体、よく考えてみると小中は普通だったのに高校のクラスメイトは私以外全員男子。
そして全員の顔面偏差値が国宝級レベル。
行事はすぐに来るし、関わりのない上級生や下級生が謎に私の名前を知っている。
でも…私は知っている。この小説では私はモブなことくらい。
この間、少女漫画でよくある学校に通う途中に角で男の人とぶつかることがあった。そして彼は同じ学校の制服だった。(あまり小説や漫画では確認しないようだか)
でも彼の顔を私は見たことがなかった。
…あれ、これって転入生パターンじゃん?でも、私の隣…人いるよな。
…あれ、転入生は?
そう、私はモブ。
この小説の主人公は…私の親友。
そう彼女である…はずだった。
⚠️この話は完全なるフィクションです。実際の人物とは全く関係ありません。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。